不可解な謎(51/64)


ユニちゃんに連れられ野営地、と言うほど立派ではないけどその外れの方に向かう。ふーむ俺に話、か。すんごい深刻そうな顔してたんだよなぁ。そんなにやばい話なのか?

「んーと、俺に話って何かな」

「………あなたも、不思議に思っているはずです。何故、白蘭があなたを攻略出来ていないのか」

「君はその理由を知ってるんだ?」

「はい。………推測ですか、きっとそれが答えだと思います」

ユニちゃんの顔が歪む。何だ?そんなに言いにくいことなのか?でもほら、言わないと分かんないよ。俺超直感とかそういう便利スペックないし。

「確かに白蘭は横の繋がりを持っています。ですが、彼は過去に遡ったり逆に未来を知ることは出来ません」

「その時、その瞬間に持っている技術や思考しか共有出来ないのか。未来の自分から過去にあたる平行世界の自分へ技術提供やらは不可能ってことでいいか?」

「はい。多村さんの戦闘力はおそらく白蘭にとって脅威そのものでしょう。懐柔出来るのなら味方に引き込んでいたと思いますし、敵として存在するのであればいち早く抹消したいと考えるはずです」

「けど10年後の俺は聞く限りじゃ健在だったぜ?味方に引き込むような動きもなかった」

10年後の俺はだいたい10年前からヴァリアーだったみたいだし、それにほとんど任務とか就かずに執務中心だったらしいし。伝聞なのがかなり怪しいんだけども。

「それはこの時代のヴァリアーの方々による情報操作のお陰でしょう。白蘭は今もヴァリアー雲の幹部があなたであることに気付いていません」

「そういえばユニちゃんは平行世界行ったんだよな?俺が何してた、とか分かる?」

俺がそう言うとユニちゃんはピタリと固まってしまった。あれ、これ地雷だった?やっちまったんだぜ………何だろう、濃厚な死亡フラグの臭いが………。

「………私が平行世界へ行った時、最初に会ったのが………………あなたでした」






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