不穏な影(47/64)
「何をボンヤリつったってんの君達。早く入んなさい、追われてるんでしょう?ほら真6弔花はおじさんが何とかするから。ささ早く」
ハルちゃんが頼りにしていたおばあちゃんは3年前に亡くなられたらしい。まぁ、10年も経ちゃあね……しかもお年寄りは本当にどうなるか分からんよ。いやお年寄りじゃなくても分かんないけどさ。
「時間がねぇ、とりあえずこいつの言うことを信じてみるか。もしウソだったら奴を最初にぶちぬけばいい」
「こっ、怖いこと言うなよ!!」
「はいはいさっさと入るよ、利用出来るものはなんでも利用しようね沢田少年」
(有人さんも怖ぇー!!)
念のため結界も張っとこうか。そっちのが安全だろ、しかし川平って奴はいったい何なんだか。指輪持ってたし………あ、でもリボーンが何も言わないってことはもしかして術師だったり?
「富士山まで飛んでらっしゃい。実体のない殺気を追って」
「?いって……くれた……?」
やっぱり術師っぽいな。困ったな、俺そんなに幻術方面明るくないんだよね。まぁ、見えないからってのもあるんだけど俺の部下にかなりそっち方面優秀な奴がいたから全部任せちゃったんだよねー、失敗失敗。あと見えなくとも使えないことはないんじゃないか、って言われてやったこともあるんだけどその後師匠に二度と幻術見せるなとか言われたんだよ。いや何か俺の幻術は見ると吐き気を催すらしい。他の奴に見せても以下同文な感じだったし。明確にイメージ出来てないから深層心理が反映されてんじゃね?とか言われたけど見えないから何とも言えんよなー。
「じゃあ、あたしはこの辺で失礼するよ。しばらく旅に出て店は空けるから好きなだけ自由に使うといい」
「ええ!?ちょっ、急に……!!ま、待ってください!!」
「まだおめーのこと聞いてねーぞ。何者なんだ?」
「ん?私は3年前にポックリいったこの店のおばーちゃんの息子、川平ですが?」
「いやっ、そーいうことじゃなくて!!」
「君達には1つ貸しだよ。じゃ」
つーかこいつ何処で指輪手にいれたんだ?そう簡単に手に入るもんじゃねーだろ、特にこの時代だと。情報が足りないな………このまま纏めても答えは出ないか。
「山本……やっぱりどーしてもアジトに戻るんだね……」
「ああ、わりーけど止めてもダメだぜ。スクアーロのことだからピンピンしてると思うが一応な」
「……そうだね。ゴメン、オレ達行けないけど…」
「山本君、スクアーロに会ったらこれ渡してくれない?」
「お、いいぜ!」
「お守りか?」
「うん。まぁ、即席だからかなり劣るけど無いよりはマシだろ」
ありあわせで作ったからたぶん2〜3回しか使えないかも。威力強ければ1回で壊れるな。ただ俺が作った訳じゃないから分かんないけど、スクアーロのお守りが壊れた感じはしないからたぶん大丈夫だと思う。本気で困った時にでも使ってくれりゃ充分だし、あと壊れたらだいたい居場所掴めるように作ったんだよね。むしろこっちの意味合いのがでかい、ほらスクアーロってすぐ生死も行方も不明になるじゃん?だから行方くらいははっきりさせといた方がいいかと思って。
「殺気はない、大丈夫だ。じゃあ、行ってくるぜ!ユニを頼む」
「あなた達もユニを頼んだわよ」
「「ハイ!!」」
「ランボさんも一緒に遊びに行くもんね!!」
「おっ?」
「ランボ!」
「どこ行くの!?どこ――――!?」
え、なあにこれふざけてんの?ふざけてるよね、俺ナメられても痛くも痒くもないんだけどあからさまにナメられると腹立つんだよ。つまりだな、
「それに騙されてやる程俺はお人好しじゃねーんだよ」
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