歪まないもの(40/64)
「雨燕と時雨金時が合体して長剣に!」
「山本さんカッコいいです!」
「ツナ君のライオンもビックリしたけど、山本君もすごいね!」
「あれが、山本殿のボンゴレ匣………」
「フン、驚くのはまだ早いぜ」
うん、まぁ確かに前より出来そうな感じはする。ちゃんとそこまで山本を仕上げる辺りスクアーロもすごいよなぁ。本人には絶対言ってやらんけど。言ったらあいつは調子こくから絶対に言ってやらん。
『準備は出来たぜ、幻騎士』
『良かろう。貴様を全力で葬るに値する剣士だと認めてやる。だが、後悔するな。これでオレに情けは無くなる!』
「あれはヘルリング!」
「あれが、ヘルリングの戦力倍加……」
「そうだ。ヘルリングに精神を食わせたんだ」
「精神を……」
「幻騎士のパワーが膨れ上がっていきます!」
「これじゃあ、山本殿は…………」
「慌てるな!あの程度でビビる山本じゃあねぇ」
ヘルリング……は、確か霧属性の結構強い指輪だったかな。何か呪いのアイテム的な感じだったんだよね、聞いた話によると。何だっけ、装備した奴の精神を喰らうとか何とか。んなもん俺がつけたら精神の喰らい合いになるんじゃねーか?かれこれ何十年も闇属性と付き合ってるからなぁ、そう簡単には持ってかれないと思うけどね。むしろ俺の闇がヘルリング喰らい尽くしそうで逆に怖い。
『……お出ましだな』
『ウォォオォォフルパワーだぁ!!!!』
幻騎士だいぶアレなことになってんなぁ。精神喰われるっていうのはマジみたいだな………しかし幻騎士元から心弱い感じ?何つーか胡散臭い宗教とかにすぐ騙されやすそうと言うか。
『そうこなくっちゃな』
『減らず口の青二才がぁ!』
「何という激しい剣撃だ!しかも幻覚のミサイルまで!!」
『時雨蒼燕流守式四之型……五風十雨』
「あれ、山本君ってあんな速かったっけ?」
「五風十雨は敵の呼吸に合わせて剣を躱す回避奥義だ。それにボンゴレ匣の推進力が足されたんだぁ、当たるものか」
ボンゴレ匣の性能良すぎじゃね?あんなもん見せつけられたら誰だって欲しくなるわ!個人的にスピードアップ系の匣は非常に欲しい。俺パワータイプじゃないからね。
『全部躱したぜ!』
『甘いわ!更に10倍だァ!!!!』
「これでは避けられません!」
(行け、カス!)
『時雨蒼燕流総集奥義!』
「総集……奥義?」
「全てのまとめだな」
『慈雨之化………』
「剣撃とミサイルの動きを止めた!」
「いや、動いてるよ。でも…………あぁ、これが鎮静なのか」
「え……?」
「スローモーションのように限りなく動きが抑制されているんだ」
「雨の鎮静の炎を剣撃と幻覚のミサイル全てにぶつけて攻撃そのものの動きを停止に近づけたんだな」
「ですが、いくら匣兵器が優れていても全てに当てるなど………」
「何言ってるの?あれが山本武だよ」
『おのれ小癪なァ!!何処に消えやがった!何処だァ!!!』
『確かに、オレはあんたに1回負けた。だが、それはオレの未熟さのせいで……親父のくれた時雨蒼燕流はいつだって最強無敵、完全無欠だ!』
『しまった!剣撃を伝って雨の炎が!!』
『時雨蒼燕流攻式八之型……篠突く雨!』
「おぉ、やったぞ!」
「すごい!」
「山本さん、勝ったんですね!」
「えぇ、そうよ」
「やったな」
「あぁ。山本も確実にメローネ基地ん時よりパワーアップしてんな」
今の山本は戦ったら面白そうだなー。…………このあと、何かあったか?……あったような気がする。でも何があったんだっけ?
『オレ達は人殺しじゃねーからな』
『後悔するな………オレは白蘭様のためにいずれ目的は必ず遂行する』
あ、何だか不穏な空気だ。さて……どうすっかなぁ。とりあえずちび含め避難指示だよね。
「毒蠍、何か飲みたい」
「!分かったわ、向こうに冷蔵庫があったから………行きましょう」
「え?あの………」
「あ、ついでに俺の分もよろしく」
「あ、はい………」
跳ね馬ナイス!10年経ってかなり気のきくお兄さんになってるよこの人!しかしまぁ何というか原作歪みねぇなぁ………もっといろいろずれてもいいんじゃないの?
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