チョイス開始(38/64)


「すごーい!」

「イメージしてたマフィアの戦いとは違います!」

「2サイクルエンジンだろ?電気バイク並みに静かだな」

「私の発明した超高性能サイレンサーのおかげですよ!あのバイクは炎の反応は勿論金属反応も致しません。敵に絶対に覚られることなく忍び寄る忍者のようなステルスマシンなのです」

忍者かぁ………まぁ、普通なら分かんないんだろうな。でも何処まで持つかな、敵の方が何枚も上手っぽいし。

「ミルフィオーレ側には、ツナ達の動きが分からないってことか」

「それを利用しない手はないな」




ほー、指揮官としてはかなり優秀だったのか入江君。普段の様子からじゃまるで想像出来なかった。つか通信出来るっていいよなぁ。まぁ出来たら出来たで傍受とかされるけどさ。

「すごい……入江殿には、まるで現場の様子が見えてるかのようです」

「モニターには炎の動きしか表示されていないのに……」

「伊達にメローネ基地の指揮官だった訳じゃないな」

「やる時はやる男だぞ、正一は」




『遅い!』

「ツナ君!」

「はひっ!飛んでます!!」

「よぉし!今のは決まった!」

『!このビル………壊れない……!!』

『雷面の高層ビルは雷属性の特徴である、硬化の炎でコーティングされており通常の20倍を越える強度を誇っているのです』

すげーな雷の炎。じゃあもし雲属性のフィールド、とかだったら建物が増殖し続けるとか?かなり迷惑極まりないな、それ。

『そこに猛烈な勢いで叩きつけられれば、まさにビルから転落したも同然の衝撃でしょう』

『!これは……』

まぁ敵さん生きてないっぽいし問題ないっちゃないだろうけど。まぁこれだけじゃ終わらないよね………って何これ。

「海蛇だ!」

「んー……?うぎゃー!お ば け……」

「ランボちゃん!?」

「幻術なのか!?あ、しかし幻術ならモニターには映らないはず……」

「あれ、幻術なのか?たぶん俺も同じもの見てると思うんだけど」

ランボがぶっ倒れたから同じものが見えてるはず………なんだけど、あれ、それ何かおかしくない?

「そんなことも分からねぇのかこのアホガキ共がぁ!!」

「えっ?」

「あん?」

「強力な幻術は機械をも翻弄する。しかもこいつは幻術と匣兵器を併用している。相当出来る術師だ」

おいこらてめえ今何つった。お前に!アホとか!!言われたくないんだけど!?じゃあ、何だ?このモニターに映ってんのは幻覚ってことでいい感じ?…………え、ならこれ人生初幻覚じゃん!まさか幻覚をこの目で見る日が来ようとは!!感動した!戻ったらマーモンの幻術を動画に収めてBDに焼き増し永久保存せねば!!つーか今の聞いた!?あの、あのスクアーロが敵のこと褒めてるよ!傲慢の塊のスクアーロが人褒めるとか、やっぱ出来る術師なんだろうね。……直接でも見えないかなぁ、幻術。

「あの硬いビルを貫いた!」

「海蛇に、僅かだが雷属性の硬化の炎が見えた。破壊力はおそらく対戦車ライフルの弾丸並みだ」

「霧の術師なのに………?」

「あのトリカブトという術師、獄寺と同じのように複数の炎を扱えるのか……」

『!』

「ボケっとすんじゃねぇ、ツナ!」

「海蛇の方眼だと!?」

「あれでは逃げられない!」

「相手はビルをも破壊する海蛇です!このままじゃあ………」

「ツナ君………」

沢田少年はあっさり捕らえられた。簡易の檻って感じだな。硬化、の炎だから簡単には壊れないだろう………が、ここで終わる沢田少年じゃないよな?もちろん。

『どんどん間隔が狭まってきている………!ナッツ……分かった、頼む。………天空ライオンVer.V.R………』

[ガウッ!]

「あれが沢田殿の………!」

「わぁ、あの子がツナ君の匣兵器!」

「キュートです!」

「ツナらしいな」

(クソボスと同じ大空属性のライオン……だが、細部の形状が異なる)

ナッツかわいいよね、めぇことも仲いいんだよこの子。まぁナッツよりもめぇこのが一回りくらい大きいんだけど、休憩中に出してたら一緒に遊んでたし。しかも寄り添って寝てたんだよね、もちろん写メ撮って保存したがな!しかし補食関係なのに何であんなに仲がいいんだ………?

[ガァウッ!!]

なるほど、あれが大空の調和かぁ。実際に見るのは初めてなんだよな。やっぱめぇこも石化したりするってことだよね。要注意だな大空。

『終わりだ!……っ、』

「ビルの中から!」

「ツナさん!」

「まずい、避けきれん!」

「やられる!」

「まだだぞ」

『やるぞ、ナッツ』

[ガウッ!]

「ツナの修行は最後まで見たのか?」

「?いや、忙しくてな」

「俺も見てないや。お守り作ってたし」

ちょくちょく息抜き程度に相手してもらったりナッツに癒されたりしてただけだからなぁ。

「んじゃ、見てんのはオレだけか」

『ナッツ、形態変化……防御モード』

「………っ、」

「さ、沢田殿…………」

「………くっ!おのれ………!!」

「ツナ…………」

一見やばそうに見えるけど、死んでる感じはしないから大丈夫だと思うんだけど。てか沢田少年アウトだったらあれ落下してるはずだよな。じゃ、やっぱり平気だな。

「ボンゴレ匣ってのはな、匣動物が武器そのものになるボンゴレが独自に改造した匣兵器なんだ」

「武器…?そういえば、さっきツナの奴………まさか、」

「フッ。しかも、その武器も初代ボンゴレファミリーのものだ。ツナの天空ライオンの場合、その形は全てに染まりつつ全てを呑み込む包容する大空……ボンゴレT世のマント!」

なるほどねぇ。ナッツが変形してあのマント自体に大空属性の炎を纏わせてるって解釈であってんのか?

「やるな、ツナ」

「ボンゴレT世のマント……!」

「あぁ。大空属性の特徴、調和により海蛇をコンクリートにして攻撃を無効化したんだぞ」

あ、何かだいたいあってるっぽい。匣動物が武器になるってのはかなり美味しいよなぁ。だって武器持ち歩かなくてもいいってことじゃね?しかも沢田少年のは防御にも使えるっていうのがいいよね。ま、そういう匣動物もらってもめぇこは手放さんぞ!めぇこ居て、+であったらいいなぁくらいだし。要するにめぇこマジ天使!

「よかった……ツナ君………!!」

「ハル、心臓がストップするかと思いました………」

「あのヒラヒラしたのー、ランボさんも欲しいじょー!よこせツナー!!」

さっき気絶したばっかなのに元気だなぁ、お前は………。まぁ、ちっちゃいし若いからか?それにしても恐いもの知らずというか何というか。

『サンキュー、ナッツ。次はオレの番だ!』

そこからあっという間に沢田少年が敵の奴を倒した。………あれ、本当に倒れたのかなぁ。しかしまぁ、甘いね。俺ならたぶんつーか確実に殺すだろうな、敵戦力は減らすに越したことはないし。

『このまま空中から敵のターゲットに向かう』

『それはダメだ。敵が2人以上残っている限り挟み撃ちにされる危険性がある。炎を消してバイクで向かうんだ』

『分かった』

「常に最悪の事態を考えて手を打つ。やるな、正一」

「あぁ」






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