連れられた先(6/40)


「ししっ。昨日振りじゃん」

「あー…………ども……」

そういやいたんだっけ、面倒だなあもう。
何が面倒って、あの赤ん坊とか幻術とか。
ちなみにあの後XANXUSに俵担ぎのまま校庭を突っ切られ校門沿いに停車してた真っ黒で縦長の車に放り込まれた訳だ。
で、着いた場所は漫画でも何度か出てた例の9代目も泊まったホテル。………此処のことだったのか。
その後一言「来い」と言われてついてったら広めのゴージャスな部屋に通された。
んでまた一言「待ってろ」と言われたんでふかふかの高級ソファーに身を沈めつつ状況整理していたところ冒頭に戻る、と。

「王子のナイフ避けるとかマジ何様のつもりだよ」

「ただの高校生。受験戦争真っ最中の」

そういえば今日の講義は受けられないかな…………受けらんないだろうな、たぶん。つーか家帰れるかも怪しいんじゃないか………?

「ただのコーコーセイが王子のナイフ避けれる訳ねーじゃん。最初転んだのもフリだろ?」

「…………気づいてたのか」

「ししっ。あったり前ー。だってオレ王子だし」

驚いた、いや本当に。バレない自信あったんだけど。てか本当に居るもんなんだなー天才って。
あれ、そういやベルフェゴールって俺より年下じゃね?………タメでいい系?
あと、聞きたいことがあるんだよな。

「なぁ、昨日争奪戦にも必要とか言ってたよな?あれどういう意味だ?」

「知らね。だってオレ話聞いてねぇもん」

あぁ、そういえばそんなことも言ってたんだっけ。
しっかしこのソファーすごいふかふかだなー。身体が本当に沈んでるよ。今持ってんの熟語帳だけでやることも無いんだよな。
ちなみに鞄はあのままXANXUSに持っていかれた。返せ。

「あらん?ベルちゃん此処にいたの」

「王子が何処にいようがお前に関係ねーだろ。つーかオカマ何しに来たんだよ」

「ボスに頼まれて隊服持ってきたのよ〜。新しい幹部が此処にいるから、って」

扉をノックして間髪入れずに人が入ってきた。いやそれノックの意味無くね?返事待てよ。
つかすごい奇抜な頭だな………流石というかなんというか。てかルッスーリアって確か一番年上だったんだっけ?
ほとんど覚えてないけど、確かそうだった気がする。………って、は?新しい幹部?

「…………それって、誰のこと?」

「あらん?貴方じゃないの?」

馬鹿言え実力主義とはいえ組織で天辺の方にいくってことは親のコネかそれこそ実力でのしあがった結果だろうが!
言っとくが俺の両親ガチパンピーだしついでに俺実力でのしあがってねーぞ。即ち俺じゃねぇ!

「でもよーオレとオカマは既に幹部だぜ?お前以外にいなくね?」

消去法すんなぁぁああ!!!!何で踏むべきステップ色々すっ飛ばしていきなり幹部なんだ普通平からだろうがむしろまだ入隊すらしてねーよ!

「まぁとりあえず着てみたらいいんじゃないかしら?はい、これが隊服よん♪」

ビニールに入ってる喪服(違)を押しつけられた。まぁ一廻りしようが二廻りしようが俺もオタク、正直一辺は着てみたい。コスプレ的な意味で。…………てか、

「………あの、着替えたいんだけど……」

「いいわよぉ、存分に着替えちゃって!」

………いや、あの、

「何もたついてんだよ。王子待たせんな」

…………え、だから、あの、






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