男に厳しく女に優しく(32/64)


「お、何だ?」

廊下のど真ん中で皆が固まってるんだけど何かあったのか?つーか本当に全員集合してるし。俺だけハブかよ?

「有人さん!有人さんは……………」

沢田少年達が期待に満ちた瞳で俺を見てくるんだが。…………あぁ、あの2人言ったのか。思ったより早かったなー、もう少し考えてから結論出すかと思ったんだけど。

「悪ぃな、俺はこっち側につくぜ」

そう言ってポン、と沢田少年の肩を叩く。いやだって俺一応沢田少年の守護者だし、ほぼ忘れられかけてるけどな!あと俺が彼女達についても特に意味無いし。飯くらい作ろうと思えば作れるぞ、まぁ味の保証はしないけどさ。

「よ、よかったー!」

つーかリボーン女装してんだけど。これの名前何だったっけなぁ…………普通にリボ子?何か違う気がする。




「一応聞いとくぜ。どうするんだ?ツナ」

「……うん………。やっぱり今の本当の状況やこれからの戦いのことは話せないよ………京子ちゃん達をあんな壮絶な戦いに巻き込めない………」

「ったくあいつ等10代目のお気持ちも知らずに………オレも話さない方がいいと思います」

「まっ、でもあいつ等だけ知らねーってのも仲間はずれみてーでかわいそうだけどな……」

「……………………」

「………それは……そうだけど………あ、有人さんは………どう思いますか?」

「ん?俺か?」

まさかここで俺に振ってくるとは思わなかった。えーここで俺の意見言っちゃっていいのかなぁ。まぁ沢田少年達に喝入れといた方がいいか。

「そんじゃ言わせてもらうけど、お前等仲間はずれとか抜きにしても勝手に何の非もない彼女達巻き込んどいて無責任だと思わないのか?」

「………………え?」

沢田少年だけじゃなく全員がポカンとしている。おいおいまさか俺が肯定してやると思ったのか?甘いな、生クリーム盛りに盛ってキャラメルソースぶっかけたフラペチーノより甘い。

「結果的に巻き込むことになってしまった、って言ったらおしまいだけどよ。お前等本気で彼女達が巻き込まれないような手段なり方法なり取ったか?ちなみに言い訳は聞かねーぞ」

皆一斉に押し黙る。懸命な判断だな、ここで何にしろ喋ったらぶん殴るつもりだったし。ガキとかそういうの抜きにして話さないとダメだよね、今こいつ等にはそういう判断が求められてるんだから。

「巻き込んだ事実は何やったって変わらない。だからその代わり責任を果たせ。んで誠意見せて許してもらいな、勝手に巻き込んでごめんなさいってよ」

全員俯いたまま黙っている。人が話してる時くらい人の目見ろ。まぁ、まともに目ぇ合わせらんないから俯いてるんだろうけどさ。…………とは言え、

「でも最終的に決めるのは俺じゃなくて沢田少年だから。それにお前等があの化け物共に100%勝てる自信があるなら話す必要も無いかもな。あと家事の心配はしなくていいぜ、俺がやっとく」

「え………いいんですか!?」

「おう、それはありがたい!」

「あぁ。代わりにお前等は修行でガッツリレベルアップしとくこと。じゃなきゃ俺のやる意味がない」

「………お前等、ってどういうことだ?」

「獄寺君……………?」

「黙って聞いてりゃお前等お前等って………てめーは、どうなんだよ?」

あんまり強調したつもりはないんだけど………うーんこれ言ったら士気下がるんじゃねぇか?まぁいつかは言わねぇとダメか。

「俺は………たぶんそのチョイスだっけ?それに出れないだろうからさ」

「え、」

「なっ!」

「そうなのか?」

「まぁおそらく、だけどね。そういう訳だからいろいろお前等に懸かってるんだぜ」

「そんな、え?……えぇ――――っ!!?」

「って、てめえ!何でそんな大事なことさっさと言わねーんだ!!!」

面白いくらいテンパってるなぁ。でもそれだけ俺を戦力として見込んでくれてたってことだよな………気持ちだけ受け取っとくよ、うん。

「そんじゃお前等、修行の成果楽しみにしてるぜ。俺は今から買い出し行ってくるから何かあったらバジル君にでも言っといてくれ」

「ちょ、ちょっと待ってください!何で、何で出られないんですか!?」

「気になるか?………うーん、面倒くさいからリボーンにでも聞いといてくんね?」

「え゙っ、」

「それから、今お前等が俺に抱いてる気持ちは彼女達がお前等に抱いてる気持ちとだいたい同じだからな。……ついでに、飯は期待すんなよ」

しっかし飯ねぇ………万人受けするカレーが一番無難だろうけど、それだとランボが飽きるよなぁ。ハンバーグは生焼けで食中毒になったら困るから論外だな。






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