時として女性は最強の戦士である(31/64)


「修行の説明は以上!!各自修行場所は自分で選べ。何か修行で困ったことがあれば有人に聞くといい、たぶんどうにかしてくれるだろ」

おい待てこら。何つー無責任なこと言ってくれんだ跳ね馬よぉ!むしろそこは家庭教師のオレに聞け、じゃないの!?あの、沢田少年。そんな期待した目で見ないで。
獄寺君、跳ね馬よりマシかって………あんまり否定出来ないけど。名前で呼ばれた!ってちょっとテンション上がったのに大幅ダウンだよ!!

「あー、………うん、まぁ、よろしくな…………」

そして俺は断れない日本人だよちくしょう!まぁ断る理由も無いがな!!

「バジルは自分の修行をしながらみんなをサポートしてくれるからな」

「よろしくお願いします!」

「芝生頭とアホ牛!!ノートと鉛筆を持って図書室に来い!!まずは理論を頭に叩き込む!!」

(獄寺君の理論指導きたー!!)

「ありゃあ大変そーだな」

「だね…。ところで山本は修行どーするの?」

「まっ、よくわかんねーから修行が始まるまで自主練だな」

「クローム来なさい。鍛えてあげるわ」

「……はい」

解散とばかりに皆トレーニングルームを後にする。もちろん俺もそれに続くんだが、うーん、ちょっとなぁ。一応言っておいた方がいいかな。
俺以外全員が出たところでくるりと振り返る。

「2人とも、出ておいで」

ビクリ、と気配が揺れる。が、それだけで全く出てくる様子はない。いや、既にバレバレだからね?リボーンや跳ね馬は知っててわざとノータッチだろうな。
思わずため息が溢れ出る。と、また揺れる気配。それでも出てくるつもりは無いのね君達………。

「そこにいるの分かってるから。2人とも出ておいで」

そう言えばやっとおそるおそる出てきた、2人こと笹川京子と三浦ハル。この2人のこと何て呼べばいいんだろ。
しっかしその布よく作ったなぁ、それで気配消してたらたぶん跳ね馬は気づかなかったんじゃないか?

「はひ………バレちゃいました………」

「上手くいくと思ったのにね………」

「そんなにヘコまなくてもいいと思うよ。他の…………特に、沢田少年達は気づいてないから。それより2人共、盗み聞きだなんてどうしたんだ?」

「……あの、有人さんは今の状況知ってるんですよね!?」

「お願いです、私達にも教えてください!!」

おおぅ、直球勝負に出たな君達。でもこればっかりは沢田少年から聞き出さないと意味無いんじゃないか?俺は別に言っても構わないと思うけどね。
でも彼等は知られたくないみたいだしさ。たぶん男より女の方がメンタル強いって知らんのだろ、沢田少年達は。
女性マジ強いぞ、まぁ俺の場合時代が時代だったってのもあるだろうけどそれでも半端なく強いと思うぞ………。

「………確かに俺は君達の言う通り現在の状況を理解してる。でも君達がその質問をぶつける相手は俺じゃないだろ?」

「………それは、そうですけど………」

「なら彼等に聞くべきだよ。………まぁ、最も素直に教えたりしないだろうけど」

「はひ?何でですか?」

「うーん、そこは各自で考えてみようか。とりあえず彼等の意志はそりゃもうガッチガチに固いだろうから、長期戦になるのは覚悟しておいた方がいいよ」

「…………分かり、ました………」

「それと、彼等から例え真実を聞き出せたとしても絶対後悔しちゃダメだよ。君達が望んだことなんだから」

「分かってます!」

「はい!ハル達が知りたいから教えてもらうんです!!」

あぁ、まぁこの様子なら平気だろ。やっぱ女強ぇわ。沢田少年達もメンタルこのくらい強くなったら言うこと無しなんだけど。……………急には無理か。






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