本当の敵(22/64)


「10年後の俺から宛てられた手紙には俺も未来に行って沢田少年達の力になるよう書いてあったんだ。理由は書いてなかったけどね」

「もともとこの計画を知っていたのは10年後の綱吉君と、雲雀君と僕だけだった。でも、とある出来事により10年後の有人さんも知ってしまったんだ」

おそらく10年後の俺は面倒くさかっただけだと思うんだが。計画知っちゃったついでに面倒だし俺に押しつけようって魂胆が丸見えだぜ。
おまけに奴が風のリングとかそういうこと知ってる筈が無いし。知ってたら怖いよそれもう俺じゃねぇよ!

「10年後の雲雀君がこちらの奇襲を予想出来たのもそのためなんだ」

「なんと………」

「10年後の綱吉君も過去の自分の成長のために非戦闘員である彼女達をこの時代に呼ぶことを了承してくれたんだ」

「そんな………オレが…………」

「ありえん!沢田の性格はよく知っている!!信じられないくらい甘い奴だ!!!」

「そうだ!どんなことがあろうと10代目は絶対にチビ達を巻き込んだりしない!!」

ラル・ミルチと獄寺隼人が面白いくらい突っかかってんだけど。入江君かわいそうだなぁ。まぁ俺もその立場だったら絶対に信じないけどな!

「あ〜も〜それくらいやばい状況ってことでしょ!!?話の流れで察してくれよ!!!」

「出た、正一の逆ギレ………」

「全てを懸けてこの事態に対処しないと、君達も君達の仲間も全滅しちゃうんだって!それどころかもっと多くの人々の………下手をすれば人類の危機なんだぞ!!」

「人類の………危機?」

「手段を選んでられねぇ程やばいってことか」

「え………」

「それと、これから来るっていう戦いが関係してるんだな」

このメンバーで一番冷静なのはリボーンみたいだな。まぁ当然っちゃあ当然かもね。
あと実際に此処に居ないってのが関係してるかな、あれ若干透けてるからホログラムだろ?

「あぁ、うん………」

「リボーン……」

「オレは、こいつの話を信じてやってもいいと思ってるぞ」

「リボーンさん!!?」

「おい、リボーン!」

「オレが感じていた疑問の答えとしては今んとこ辻褄があっているからな」

「あ、ありがとう………そうだ、君達の本当の敵は白蘭サンだ!」

「やっぱり…………!」

白蘭か………実際見たことは無いけど、相当面倒なことになりそうだよな。7^3とか平行世界とか。
そういえば平行世界にも俺っているのか?まぁいるよな、死んでなきゃ。そっちの俺って結局どうしたんだ?黙って見てるってことはないと思うけど。

「白蘭サンは7^3を集め、この世界を自分のものにするためには手段を選ばない。そういう人だ。彼はこの意思を7^3ポリシーと名付けた。それが達成されれば、今の比じゃない地獄絵図を見ることになる。あの人は自分の思い通りにならないもの全てを抹殺するだろう」

「そんな…………」

「だとすると1つ分かんねーな。何で今まで白蘭に手を貸してきたんだ?お前が10年バズーカでボンゴレリングをこの時代に運ばなければ奴の目的は達成されない筈だ」

「あ…………そうか」

「ツナ達が過去から来なければ最終的に犠牲は少なくて済んだかもしれねーぞ」

「でも、それじゃあ…………」

「ツナやオレ達アルコバレーノは死んだままだろうがな」

そうだよなぁ、本当にそれで済むんなら俺だって未来なんか来ねーよ。つーか白蘭がボンゴレリングをこの時代に呼んだ時って俺も来ることになったんだろうか。
たぶん来ないかなぁ、白蘭が欲しいのはあくまで7^3だし。むしろ俺来ちゃった時点で計画ご破算だよな、ざまぁみろ!

「うん………一時的にはね」

「え…………」

「でも、僕の手を借りなくとも彼は何れ君達を未来へ連れてくる。それに、僕がこのやり方に拘った理由は他にある。白蘭サンを止められるのはこの時代だけなんだ!」

「え………?」

「どういう意味だ?」

「今この時代に倒すしか、白蘭サンの能力を封じる手はない!」

「能力………?」

「説明すると長くなるんだけど………ってあぁ!!忘れてたー!!!!ボンゴレ基地に何か連絡は!!?」

「いや……無いぞ」

「まだか………そうか、まだだよな……うぅっ」

「どうかしたんですか!?」

「また緊張してきた…………」

「大丈夫か?」

お腹擦ってやった方がいいんだろうか。カイロとかのがいい系?俺カイロ持ってないけどな。
まぁこっちのやることはもう特に無いし、あとはあいつ等が何とかしてくれるだろ。






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