諦めません、勝つまでは(16/64)
「却下」
「そこを何とか!」
「るせぇ。何度も言わせんな」
「いい加減諦めた方がいいと思いますよー。あんまりしつこいとボスにかっ消されるだろうし」
XANXUSに全世界同時総攻撃を日本でやりたいと直談判したらこれだよ!せめて理由くらい教えろよな!
うーんこれ以上粘っても無駄かなぁ………しかしこの時代で日本に行くルートなんざまるで分からん。普通に飛行機取っちゃえばいいの?
エコノミーでいいかな……………つか、俺パスポート無くね?やばいこれ正規ルート使えないフラグだ。…………あれ?
「ベル何処行った?」
「さっきアホのロン毛隊長のところに行くとか言ってましたよー。暇だからちゃちゃいれとか」
スクアーロ、ベルフェゴール、ちゃちゃいれ………………?何か、あったか?……………………!思い出したああああ!!!!
「俺スクアーロんとこ行ってくるわ!」
「ああ?………!おい、誰か奴を止めろ」
「オレに任せてくれ、ボス!」
「?…………何かしたんですかー?」
気配はこっちからするな…………早くしないと、たぶん追手来るだろうし。お、スクアーロの声。
今初めてスクアーロの声がでかすぎて煩いことに感謝した!此処か!
「王子ヒマだし。ちゃちゃいれ」
「口出しすんじゃねぇ!!ぶっ飛ばすぞぉ!」
「やってみ?」
扉を開けたらベルフェゴールとスクアーロが取っ組み合いをしていた。………こいつ等20代と30代なのに………ガキかよ?まぁいいや、この隙に。
「俺もしばらくしたらそっち行くから!そん時はよろしく!」
「「はぁ?!!」」
2人の取っ組み合いがぴたりと止まった。そんなに驚くことか?これ。それにしてもこれで既成事実……とはちょっと違うか。
まぁ俺を留めにくくなったことだろう。勝者、俺!
「またこの世で会えるといいなぁ!!!!それまで生きてみろぉ!!!!」
おそらくこれからデータを並盛のアジトに送るのか?早く送れえええええ!!!!!!あ、いや俺が送っちゃえばいいんだな!
「送信…………っと」
「つーかさっきの何なんだよ?」
「てめー日本に行くのかぁ?XANXUSが許可するかぁ、そんなことをよぉ!」
「…………………………」
何で俺こんなに責められなくちゃいけない系?目合わせらんないよ!くっそそんな目で俺を見るなあああああ!!!!
「なっ……………くそ、間に合わなかったか…………!!」
「何が間に合わなかったんだよキモタラコ」
「あーそういうことですかー」
バァンと音をたてて扉を開けたのはレヴィだ。状況把握が早くて助かるよ、そうです俺の勝ちですざまぁみろ!
悔しそうに踞って拳をバンバン叩きつけるレヴィの後ろからひょっこりとフランが現れた。お前も来たのか。
「なるほどなぁ。今の通信で向こうはてめえを戦力に加えて作戦立てるだろうなぁ…………えぇ?ゔぉい!」
「痛い痛い痛い痛い頭割れる頭!義手でアイアンクローって殺す気か!!?」
俺の頭がギリギリ音たててるんですけど!骨が!これ砕けるんじゃないのか?!
「でもー、それって単に有人の自業自得ですよねー」
「もしかしたらジャッポーネ行く前に死ぬんじゃね?ボスにかっ消されてよ。しししっ」
「はいそこ楽しそうに笑わない!ボスには……………わ、和平交渉を、」
「死ぬだろ」
「無理だろぉ」
「フン、無様だな!」
「短い間でしたがミーは有人のこと忘れませんからー。あっちでもお元気でー」
お前等俺が死ぬの前提で話すな!不吉なことを言うな!何で俺こんな自分の首自分で絞め殺したみたいになってんの!?つかさ、
「別にヴァリアー俺いなくても戦力的に問題無くね?」
「そんなこと無いですー。ヴァリアーは今深刻な人員不足に悩まされているのでー」
「え、んじゃ総勢何人くらい?」
「ざっと30人前後ですかねー」
うっわ少なっ!よくそれでやっていけるなヴァリアー……。1人1人のクオリティが高いのかね?まぁ俺はよく知んないけど。
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