存在しないもの(14/64)


……………もう俺驚かないよ?なんかいろいろおかしいらしいな本当に。
今10年前のちょうど指輪争奪戦辺りの情報を洗い直してるんだけど、どうやらこっちの指輪争奪戦は所謂原作通りってヤツみたいらしい。
そう、風の守護者なんて存在すらしない。でもそれで黙ってる彼女じゃないよな、と思って突っ込んで調べてみたら………無かった。
何が無かった、って彼女含め例の財閥の存在自体が無かった。更に調べてみたら古参のファミリーも存在していなかった。
しかも指輪争奪戦の後に消された、とかじゃなくてそもそも元から存在していなかったんだよな。
で、これ等のことから導ける答えは10年前俺がいた世界とこの10年後の世界は特にそれといった関連性が無い平行世界だ、ってことだな。
あるとしても10年前から飛ばされた人間がいるってことくらい。
で、それを考えた上で更に矛盾が現れる。そう、俺の役職と風のリングな。白蘭がどんな手を使っても手に入れようと奮闘している7^3。
そこに風のリングが入ってくれば、当然その均衡は崩れるんじゃなかろうか。まぁ俺の持ってる風のリングが本物だとしたら、ね。
どんな力を持ってるかは分からない、もしかしたら何の力も無いのかもしれない…………が、最悪の事態に陥った時の切り札になるかもしれない。
そういえばスクアーロに開けるなって言われたけど保存用の匣には何が入ってんだ?
………開けちゃうか、結界張っとけばバレないだろ。よーし開けてみよう。リングに炎を灯し匣を開匣する。開いたそれには、

「…………………何これ」

何か、紙のようなものに包まれた物体。しかも紙の上から更に鎖が頑丈に巻かれていた。おいおいどんだけだよこれ。そんな極秘の何かな訳?
おまけにこれやったの完璧俺だろ…………封印系の知ってる術式だ、確かこれ間違った開封すると呪われるんじゃなかったか?
本当に何が入ってんだよこれ!そして10年後の俺いったい何がしたかったんだよ本当に!
これ開けない方がいいかな……とりあえず中身確認してから見なかったことにするか決めよう。




「…………………これ、は……………」

何でこれが此処にあるんだ?じゃあ、ミルフィオーレにあるヤツは偽物………?しかしあんな厳重に封印してあった理由が分かった。
そうでもしないと俺とは合わないよな、属性違うし。あとは大空属性で開けても中身触れられないように、って意味で呪いもかけてんだろ。
それにしてもスクアーロはこれの中身を知ってたのか?それか10年後の俺に口止めするよう頼まれたとか?まぁ確かに見られると面倒なことになるけども。
そしてこれは確実にミルフィオーレに対する切り札だ………俺結構責任重大じゃね?

「隠しておくが吉、か」






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