安易と言うなかれ(13/64)


「フランー。ベルに幻術効いてるの?」

「微妙ですねー。すぐに見破られるんでー」

「それ意味無くねー?」

結構粘ったのにワイヤーにフランと一緒に取り囲まれた。どうすっかなー。バサラ使えば切れないこともないけど、正直バサラは使いたくない。
うーん足場があればどうにか出来そうなんだけど……………あ。

「しししっ、今ならゴメンナサイで許してやるぜ?」

「謝るとかー選択肢にすらありませんからー」

「悪ぃフランちょっとカエル踏むわ!」

「グェッ!」

カエルを踏み台にしたことでかなり高く跳び上がれた。よし、ワイヤーは無いな!それなら、とヴァリアーステッキを伸ばし壁にめり込ませる。

「よっ、と!」

逆上がりの要領で身体を持ち上げヴァリアーステッキの上に立ち上がる。おっし、脱出成功!フランも連れ出しとこうかな。

「ししっ、させっかよ!」

ベルフェゴールがミンクを飛ばして来た。えええ、ちょ、危なっ!
ヴァリアーステッキを壁から引っこ抜きミンクを叩き落とす………って、確かこの距離だとリーチ足りなくね?やべえええ!!!!

「うわマジ無理こっち来んな!!………て、あれ?」

[ギャウッ!]

あれ、何これどうなってんの?つーか今、

「の、ののの伸びた!?」

「…………どっかにそんな名前の奴がいた気がする」

「確か珍種の青狸が腸かっさばいていろいろ出す話に出てきたはずですー」

「違うから!お前の説明で国民的アニメが一気にR指定になるじゃないか!!だいたい出る物違うだろそれ!?」

つーかどこからそんな知識手に入れやがった!俺か?10年後の俺なのか?!
っていうかそうじゃないよ、ヴァリアーステッキが最大に伸ばしてるのに更に伸びたんだけど!最長決まってんのに!何これどうなってんだ?
本当にあった怖い話じゃね?これ。

「……………あ、もしかして武器型の話はしてないのかもしれませんー」

「…………え、どういうこと?」

武器型ってなんかあったか?普通に匣に武器入れられるだけじゃないの?んで持ち運びに便利なだけじゃね?

「武器に炎を纏わせるとその属性の力が引き出せるってアホのロン毛隊長が言ってませんでしたー?」

「いや初耳。つーことは今ヴァリアーステッキが伸びたのは雲属性の増殖による付加作用って訳?」

「そういうことですー」

なるほど。10年の間にヴァリアーステッキは俺が前世使ってた武器に一歩近づいたということか。嬉しくねー!
確かに使い勝手はよかったがあの武器俺にとっちゃトラウマでもあるんだからな!?
しかし雲属性の増殖か………ってことは、ヴァリアーステッキの数を増やすのも可能だったりする?まぁそれはやってみないと分かんねーか。

「ししししっ、いつまでくっちゃべってるつもりだよ?」

今度はナイフ投げてきやがった。壁にでも刺さったらさっきの二の舞だよな、とりあえずヴァリアーステッキで弾き落とそう。

「バーカ。フェイクだっつの」

「げっ」

ナイフの後ろから現れたのは嵐ミンク。やばいな、どうしようこれ。雲羊出す?大丈夫かな………一応出してみるか。

「開匣っと!雲羊、絶対防御」

[めぇ]

雲羊の綿毛が一瞬で何倍にも増え嵐ミンクの攻撃を吸収して無効化する。それだけじゃない、雲羊の綿毛は死ぬ気の炎を取り込むんだよ。つまり、

[ギッ?!]

「やべっ!」

嵐ミンクを取り込んで死ぬ気の炎を吸い続ける訳だ。どうやらベルフェゴールはこれのこと知ってたみたいだな、まぁ10年後の俺も使う手口だったんだろ。
あ、嵐ミンク匣にしまいやがった。

「しししっ………あっぶねー」

「さーて仕切り直しと……………ん?」

嵐ミンクは俺が雲羊出してる限り出してこないだろ。それにしても案外雲羊が平気そうでよかった。本当にさっきのは何だったんだ?つーか誰か来た。
今日はこれで終いかなー。

「あら、3人共こんなところに居たのね!スクアーロ隊長が呼んでるわよ!」

「「「またかよ……………」」」

なんか修行してる時邪魔してくるの高確率でスクアーロなんだけど!まぁいいや、呼んでるならさっさと行こう。じゃないと煩いし。いや、どっちにしろ煩いけど。

「……っていうかー、コットンガードってそのまますぎやしませんー?」

仕方ないだろ、俺ネーミングセンス皆無なんだから!それに雲羊がそれやったときにポケモンの技のコットンガードしか出てこなかったんだよおお!!!!






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