現状把握(3/64)
所変わって今は地下のトレーニングルームみたいな場所にいる。所謂鍛練場って訳だな。そこでざっと現状や俺がどんなことしていたかを教えて貰った。
どうやら昨日ボンゴレ本部がミルフィオーレに急襲されボンゴレ狩りが始まったらしい。そんでもって交戦中のミルフィオーレ部隊と今は休戦状態にあるみたいだ。
が、すぐにまた奴等が攻めてくるだろうとのこと。……そんな中悠長に酒飲んでたのかXANXUS………!!!!
いやまぁたぶん負けない自信あるからなんだろうけどね?XANXUSに限って酔うなんてことも無いだろうけどもだがしかし。
で、俺が入れ替わったのはしばらく隠しておくつもりらしい。まぁ隊員の士気にも関わるだろうしなぁ………でもバレるのは時間の問題だと思うぞー。
んで、これから俺のやるべきことが何点かある訳だ。
「まずお前には匣兵器を使えるようになって貰うぜぇ」
「匣兵器って何?」
「その匣に入ってる武器や動物の総称だぁ。リングを指に嵌めろ」
「ごめん無理。すっぽ抜けるこれ」
「んだとぉ?!」
いやだってすっぽ抜けるんだからしょうがなくない?10年で俺は成長したのか太ったのか…………解明されて欲しくない謎だ。
「………そういやお前グローブはめてたなぁ」
はい謎解明!そら素手にはめたらすっぽ抜けるわ!初めてスクアーロに殺意湧いたぞ!……………いや、初めてではないな。
あまりの煩さに強制的に黙らせたくなったりするし。
「じゃあとりあえずそのグローブくれない?じゃなきゃどうしようもないって」
「隊長、持ってきましたよー」
「お゙う」
と、何故かフランがやって来た。持ってきた…………って、何を?フラン俺の修行から光の速さで外されたのに。
ちなみに術師の間で俺は幻術師殺しとして有名らしい。かの幻騎士も俺なら倒せるとか何とか。そういえば幻騎士どっかで殺されるよな……どこだっけ?
あ、あれか!チョイスとかいうヤツだ、たぶん。……ちょっと情報の整理とかした方がいいだろうなぁ。
「有人、お前の使ってた武器だぁ」
「その名もヴァリアーステッキですー」
フランがヴァリアーステッキと言いつつ差し出して来たのはついこの間争奪戦の時に作って貰った例の棒だ。
え、何これヴァリアーステッキっていうの?しかも重さ違うからそこそこ改造してあんなこれ。
「あとフラン、てめえは…………チッ、もう来やがったかぁ」
スクアーロがフランに何か指示しようとしたところでサイレンが鳴り響く。おそらく敵が攻めてきた、っていう報せだろう。よし、いっちょやりますか。
「あのさ、敵の殲滅なんだけど………俺が行ってもいいかな?」
「…………ゔぉおい!!!何言ってやがる、匣兵器も知らねぇ奴が粋がんじゃねぇぞぉ!!!!」
「ミーもそう思いますー。行った瞬間死にますよー?」
「そんなこと言わずにさぁ………それに、匣兵器無くても戦えるだろうし。実際10年後の俺そんなに匣兵器使ってないんじゃねーか?」
一応俺歴戦の猛者だと思うんだけど。それに俺1人のが戦いやすいんだよなー。
味方いないってことは周り全部敵だから遠慮無くぶちのめせるし、大技使えるし。そんですっかり忘れられてるけど俺元忍者だし。
「確かにお前は匣兵器を使わず敵を倒すなんざ余裕でやってのけた。だがし今のお前は匣兵器の情報を知らねぇ以上戦えるとは思えねぇ」
「ついでにここで俺結構戦えるんだよー、っていうアピールをして何とかヴァリアー隊員に認めてもらうっていうパフォーマンス」
「…………そのパフォーマンスは別に今じゃなくてもいいだろうがぁ」
「あと単に俺のカン取り戻したいだけ」
「そっちが本音かぁ!!!」
いやいや俺結構平和ボケしてっからね?戦争のカンくらい取り戻したって別にいいだろうよ。
「チッ……まぁいい。有人、てめえは最前線で暴れてこい。フランはそのサポートに回れぇ」
「よっしゃ!」
「隊長困りますー。最前線で共倒れしろって言うんですかー?」
「それはありえねぇから安心しろぉ。10年前だろうと今だろうとあいつ自身の強さは変わんねぇ。戦い方が違うだけだぁ」
「……それってどういう意味ですかー?」
「んなもん実際に見りゃいいだろうが!つべこべ言わずにとっとと行けぇ!!!!」
「チェッ、教えてくれたっていいのによー」
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