束の間の(2/40)


そんなキテレツ体験をしたのが昨日。
一応撒いてから帰ったおかげか奴等が家に押し掛けてくることもなかった。

そして例えどんな事情があったとしても、普通に、何事もなくあるのが学校である。

「はよー」

「よっす!……て、あれ?今日遅くね?」

「寝不足なんだよ………」

とある暗殺部隊のせいで。
でも最近の授業は正直言って自習の方が多いし、大したことはやらないだろう。
やってもセンター演習とかそんなもんだ。

「昨日何してたんだ?」

「予備校行ってた」

「止めろよお前勉強すんな!」

「すっかり真面目チャンだな」

「くたばれ推薦組」

「ひっでぇ!」

「多村何処志望だっけ?」

「ヒスイ大」

「え……………マジで?」

「マジで」

「何でまた?」

「一番近くて安い」

「……黒曜は?」

「あそこは私立だから高いんだよ。並盛にあれば良かったんだけど、高校までしかないし」

いい大学行こうと特に変わらないと思うから、じゃあどうしようかと思ったときにとりあえず安いとこにしようと思ったんだよな。
あとあんまり遠いと心配するかと思って。俺今一人っ子だし。で、そこを含めて考えた結果一番近くて安い大学がヒスイ大だっただけだ。
国立だから難しいけど、俺にしてみれば大した難度でも無いだろ。チート万歳。

「なるほどな〜………親孝行ってワケね」

「………もしかして、ここ受けた理由も……?」

「安くて近いからだけど」

「おま………いや、俺も人のこと言えねぇわ」

「志望動機なんてだいたいそんなもんじゃね?特にやりたいこと無い限りはさ」

「確かに」






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