焦燥(25/40)


「………っはぁ、はぁっ……!!」

だんだんと息が苦しくなってくる。こんなの聞いてない、あたしはただ…………。
そう思いつつ再び矢をつがえる。しかしどれも掠りすらしない。

「んー…………あぁ、毒がまわってきたのかな?」

ずっと避け続けてあたしより動いているのにどうして目の前の男はこうも余裕なんだ、毒がまわってるのはあなたも同じでしょう?
と、不思議に思っていれば頭上でハデな爆発。校舎の3階をXANXUSの弾丸が貫いた。たしかあそこには、獄寺くんが、

「……弾道が逸らされた、か。ま、いいか………俺がフォローすれば」

そう言って高く跳び上がった。うそ、何でまだあんなに動けるの?そのまま取り出した棒を伸ばしてビリヤードのようにポールの上のリングを弾いた。

「しししっ、サンキュー」

「あとは自分でどうにかしてなー」

弾かれたリングはヴァリアーのベルフェゴールの所へ飛んでいった。まずい、このままじゃ獄寺くんが、

「おっと、君の相手は俺だぜ?」

弓を構えたら邪魔をされた。先に解毒しないとあたしがもたないかも。じゃあ、どうやってこの人からリングをとればいいの?






もくじ




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -