風戦、開始(24/40)


それから全員が散り散りになった。さーて俺の記憶が正しければそろそろなんだが。

「全ての守護者がフィールドに到着したようですね」

マーモンは体育館、ルッスーリアは校門、レヴィは屋上でベルフェゴールは3階の廊下か。そして手首に何かが刺さった。

「!」

瞬間身体がカッと熱くなる。が、ふらつくどころか余裕で立ってられる。多少身体の動きが鈍くなったけど。

「ただいま守護者全員にリストバンドに内蔵されていた毒が注入されました」

「この毒はデスヒーターと呼ばれる神経毒で野生の象も歩行不能となります」

「そして、30分で絶命します」

うん?同じ毒かこれ。モニター確認する限り違うものだと思うんだけど。

「なお風の守護者にはリングを奪いあって貰うので遅効性の別の神経毒を用意致しました」

「こちらは1時間後に絶命します」

いや、死なないだろ。しかし長期戦は双方不利って感じか。そういえばこのリストバンドの凹みは、

「1つだけ解毒方法がございます」

「同属性のリングをリストバンドの凹みに嵌め込めば内蔵された解毒薬が投与されます」

「これは風の守護者においても同じです」

「わかった、早く始めよう」

沢田綱吉がキッとXANXUSを睨む。対して当のXANXUSはいつも通りの悪人面。
そういやヴァリアーとして参加してる以上XANXUSをボスって呼んだ方がいいかな?
………呼んだ方がいいか。と、思ったらXANXUSが沢田綱吉をぶっ飛ばしました。あーあー派手にやっちゃって。
10歳も若いんだからハンデくらいやりゃあいいのによ。

「あぁ?特殊弾を撃つ前は不味かったか?」

「舐めんなよ。俺を誰だと思っている」

あらやだちょっとリボーンカッコいいじゃないか。速撃ちで脳天寸分の狂いなく狙うってなんて無理ゲー。目の前の赤ん坊実際にやったがな!
そして立ち上がる沢田綱吉………いいか、沢田で。そして沢田にいくつかアドバイスをするリボーン。
そろそろ俺も本腰入れようかな……っと、その前に一応XANXUSに言っておこうかな。

「ボスー、俺のことはお構い無く好きに暴れちゃってねー」

「ハッ、元からそのつもりだ。てめーこそオレの邪魔すんなよ」

「はいはい。分かったよ」

うんうんこれで大丈夫だろ。何か驚いた顔されたけど外野なんて気にしねーぜ?俺。
沢田がXANXUSに攻撃を仕掛けるのを横目に目の前の女の子を見据える。

「観覧される方は此方へ!」

「急いで下さい」

「それでは大空のリング戦、XANXUSvs沢田綱吉及び風の守護者戦、多村有人vs高村朋美……バトル開始!」

「改めて……俺はヴァリアー風の守護者、多村有人。君は?」

「………あたしは、高村朋美」

「高村さんだね?今日はよろしく」

出来るだけにっこりと笑ってみる。さて、テキトーにあしらいつつリング奪った方がいいかな。うーんこれはたぶん武器無くても勝てるぞ俺………。

「………さっさと始めましょう?」

そう言って高村さんが構えたのは弓。矢を大量に持ってる辺りあまり機動力は無さそうだ。放たれた矢を横に跳んで避ける。
と、彼女の方を見たら既に次の矢をつがえていた。
早っ!これは大分前から弓道たしなんでるんだろうな。うん、俺も負けられねーわ。






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