恐るべしクオリティ(19/40)
「いってー!!!!」
「ありがと、マーモン」
「別にいいよ。……あとで報酬貰うから」
「えっ………?」
「当たり前だろ、僕がタダ働きする訳無いじゃないか」
うわぁ嵌められた!くっ、嫌だ!この年で借金背負って生活なんて嫌だ!!でも金のあてなんざ無ぇよ!何かしら手を打たねーと………。
「ししっ、オレ知ーらね」
楽しそうに笑ってるが未だに額を押さえていた。デコピンの恨みってか?それお前の自業自得!あーでもどうしよう、バイトでもしようかな………。
短期で高額のバイトってあるか……?暗殺とかしか思い当たんねー。あとは身体で払う、とか?ベタすぎる。
やっぱ暗殺だな、それが一番確実で安心安全だ。マフィアがうじゃうじゃいるこの世界なら需要あんだろ!
「いつ僕が金払えなんて言ったのさ。ちょっと付き合ってもらうだけだよ」
え、マジ?金じゃない感じ?てか付き合うって……何処に?ま、まさか交際的な意味じゃないよねいやバッチこいだけど!
「どのくらい幻術が効かないのかずっと試したかったんだ」
え、あれ俺モルモット扱い?
目から生理食塩水…………ってふざけてる場合じゃないか。あぁでも前世でやった、幻術耐久レースみたいなもんか?
あの時も俺置いてきぼりだったぜ……周り死屍累々だったし、最後の方術かけてる奴が涙目だったし。だけど見えないからどうしようも無いじゃんか。
「ししししっ、ゴシューショーサマ………つっても、お前見えないんだっけ?」
「らしいね」
たぶんマーモンの幻術も全部見えないだろうなぁ。残念。むしろ俺に見える幻術ってあるの?
つーかそろそろ俺も戦い観ても問題無くない?あと生のリボーンとコロネロが見たいです。
「俺って行かなくてもいいの?」
「スクアーロの戦いに、ってことかい?」
「別にカス鮫の戦いなんて見なくてもいいんじゃね?」
やっぱり行かせる気ないみたいだな……。こうなったら風戦まで待つしかないか、脱け出して観に行って面倒なことになるのもあれだし。
…………お、誰か来たみたいだ。
「ゔぉぉい!!!此処に奴は居るかぁ?!」
「奴って誰?」
「てめーだぁ!!!!」
「えっ、俺?」
来たのはスクアーロだった。噂をすれば何とやら、ってヤツか。しかも何故か俺を探していたらしい。それにしても相変わらず煩いよなぁ、こいつ。
そして小脇に抱えた箱は何だ?
「XANXUSからお前にだぁ」
ポイと抱えていた箱を投げ渡された。何なんだヴァリアーの人間は投げ渡すのが好きなのか?!
「…………俺が開けていいの?」
「君以外に誰がいるのさ……」
マーモンに呆れられた。XANXUSから俺に、ってリング以外に渡すもんあったか?まぁとりあえず開けてみるか………。
………………これ、は……………!!
「……………棒じゃん」
「紛うことなき棒だね」
「そうだぁ。棒だぜぇ」
「え、何これもしかして一昨日俺が頼んだヤツなの?早くね?ねぇおかしくね?一朝一夕で出来るもんじゃなくね?」
「ヴァリアークオリティだぁ」
「違ぇだろ?!それここに使うもんじゃねーだろ!?え、これ完璧に再現しちゃった感じなの?………」
ゴクリ、と喉がなる。ちょ、ちょっと試してみたいかも…………!!
えーとルッスーリアとレヴィは故障中、ベルフェゴールも言わずもがな、マーモンは幻術が効かない以上俺とまともに戦えないだろ。あとは………………。
「ゔぉお゙い!!!!俺とやるかぁ?!」
スクアーロかぁ……スクアーロとは……、
「いんや。やらない」
「ゔぉぉお゙おい!!!!何故だぁ!!?」
「だって戦うの今日なんだろ?その前に怪我とかしたら不味くない?」
「別にスクアーロなら問題ないんでね?」
「僕もスクアーロなら問題ないと思うよ」
「ゔぉぉい!!!てめー等どういう意味だぁ!!!!」
スクアーロの扱い雑だな………まぁそんなことより、
「そろそろ戻らねぇ?」
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