もう1人の風(15/40)
さっきようやくXANXUSが並中に行った。
行く前にホテルで大人しくしてろとか言われたがぶっちゃけそう言われて大人しくしてやる俺はいないんだぜ!
そんな訳で今から俺もお出かけします。
まぁどう考えてもあいつ等より先に戻れるから無問題ってヤツだ。
行く先はもちろん、
「失礼しまーす」
「あらぁ、来てくれたの?嬉しいわぁ」
絶賛入院中のルッスーリアの所だ。所謂お見舞い。
「いやー、暇なんで」
「今日は誰の戦いだったかしら?」
「イカツイ人らしいです」
「レヴィね。あの子大丈夫かしら」
そういえば俺レヴィとまともに話したこと無いな……まいっか。
それにしても、
「撃たれたって聞いたんだけど………元気だね」
「ヴァリアークオリティよん♪」
えっ、マジでその一言で片しちゃう?最早魔法の呪文じゃねーか………。
とりあえず、見舞品として持ってきた旬の果物詰め合わせセットを先に渡しとくか。
「これ、よかったらどうぞ」
「あら!どうもありがとう」
さて、これを俺の好意と受け取るか、それとも対価と受け取るかはルッスーリア次第なんだけど。
ただ見舞いに来た訳じゃない。俺の目的は別にある。
「あの、聞きたいことがあるんだけど」
「いいわよ!私で分かることなら何でも聞いてちょうだい♪」
なんか知らんが機嫌がいいぞ。まぁ、ちょうどいいや。
「昨日戦った時に向こうの風の守護者って居た?」
そう、これ。風の守護者。俺が渡されたのはハーフボンゴレリングだから沢田陣営にいる筈なんだ、もう1人の風の守護者が。
出来ればある程度の情報は欲しい。つっても、昨日の戦いに来てなかったら今日俺が今此処にいる意味無いけどな。
ダメで元々、なんか掴めたらラッキー程度の気持ちだ。
「居たわよ〜」
え、マジで?
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