続かない平穏(2/10)


「よっ」

「ちーす」

「あ、多村だー」

「最近はサボんねーのな」

「シメるぞ」

「いやん!」

「岡本キモいから二度と俺に近寄んな」

「ひどい!佐藤、井上が冷たいよー!」

「おい佐藤に近寄んなバカが伝染る」

「多村もひどい!!」

いやもう日常って本当に素晴らしい!一昨日沢田少年に会ってから特に連絡もないし便りがないのがいい便りってのはこういうこと言うんだろうな、うん。

「お前帰り予備校か?」

「そのつもりだけど」

「えー、たまにはサボれって。遊ぼうぜー」

「世の受験生にボコされろ」

「んー、でもみんなで遊びたいよね……」

「そういや佐藤はもう決まったのか?」

「うん、この間決まったー」

「じゃあ、あとは俺だけか」

国公立は早くても2月の終わりだからな……春休み来るまでは正直無理だと思うんだけど。まぁ今はこの平穏な日常を享受しておこう。




「…………………………」

「多村ー?おーい、たーむーらー?」

「…………………………………」

「ダメだこりゃ」

「返事がない、ただの多村のようだ」

「むしろそうじゃない多村ってどんなだよ………」

平穏な日常を享受しようとした矢先にこれかよ!リボーンからメールだ、正直見たくない………が、見ないことにはどうにもこうにもなぁ。見るしかないのか………。

『ちゃおっス!この間ぶりだな。今日の放課後、ファミレスに集合だぞ。議題は継承式まで如何にツナを守るかだ。ちゃんと来いよ』

要約するとこんな感じか。つか継承式って何。俺何も聞いてないんですけど 。まぁ、たぶん沢田少年が公に10代目になるってことだろうな。………でもそれ俺もボンゴレに強制就職フラグじゃね?やば、風の指輪返却してもいいかな………。

「つかどしたん?早く帰ろーぜ」

「あー、悪ぃ。急用入ったから無理」

「えー!何だよそれ!」

「仕方ねーだろ。つー訳でまた今度な」

「ちぇー。じゃあ今度肉まん奢れよ!」

「何でだよ………」

「俺はあんまんで」

「じゃ、俺ピザまんね!」

「何でお前等も乗ってくんだよ………」

岡本のせいで佐藤と井上まで便乗してきたじゃねーか。ま、これで不問にするっつーんなら安いもんか。

「んじゃ、またな」

「絶対だからな!」

「あー、はいはい」

とりあえず早いとこ行かねぇと。獄寺君辺りはすぐ怒りそうだからなー。よくよく考えたら帰ってから沢田少年以外の奴等と一度も会ってなかったな。






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