呼応する指輪(1/10)
「んじゃ、また明日」
「おー、明日なー」
俺が所謂未来から戻ってきて数日が経過した。どうやら帰ってくる時に地震を誘発したみたいで、そう考えるとちょっと申し訳ないような気がしないでもない。けどそんなに目立った被害も無いみたいだし無問題無問題……って、
「いえいえいえ!!そんなつもりはこれっぽっちも!!」
沢田少年の声が突然聞こえた。いったい何してんだ?………あー、なるほど。リボーンの策略ね、把握した。………ま、助け船出してやっか。
「オレ達はそんなつもりだぜ。獄寺もいねぇしのんびりしてけよ」
「ひいっ!まってください!!」
「断る」
「まあ、待てよ」
「え………?」
「あぁん?誰だてめー……」
「近所の高校生のお兄さんだ。……あー、ごめん、やっぱ今の無し。何か今俺かなり恥ずかしいこと言った気がする」
ホント調子に乗るとろくなことになんねーよなぁ。不良の腕を掴みとりあえず攻撃は阻止する。つーか沢田少年、君がそんなだと君に倒されたXANXUSや白蘭の顔が立たないんだからもうちょいしっかりした方がいいんでない?
「有人さん!」
「よー、沢田少年。元気か?」
「っの!てめー離せよ!!!」
「え、何?聞こえないな」
「こんの……!!てめーからぶっ飛ばしてやる!!!」
「あっはっはっは。粋がってんじゃねーぞガキ」
振り向いて拳を振りかぶる不良の鳩尾を的確に蹴り飛ばす。隙だらけだし動きも無駄が多い。ちなみに不良の飛んでった先にはピンポイントで電柱が立っていた。うん、俺の脚もまだまだ現役ってことだな。あ、電信柱に当たったら気絶しやがった。
「ひ、ひいいい!!!!」
俺の蹴飛ばした不良が気絶したのを見て、もう1人の不良は一目散に逃げ出した。おいおい見捨てていいのか?それにしても、
「脆い友情だな」
「あ、あのありがとうございます!でも、何で有人さんが此処に……?」
「俺ん家この近くなんだよ。帰宅中、聞いたことがある声がしたと思ったら 沢田少年が何かやってたからね、ついでに。………君も、大丈夫か?」
沢田少年の近くに倒れてた赤髪の少年に声をかける。つーかズボン破くとかどんだけだあいつ等。教科書とかも散乱してるし。
「………………」
「あ〜あ、教科書破けちゃってる!こ、これ………」
「ほら、こっちも」
「……………………」
赤髪の少年に俺沢田少年が散らばった教科書を渡した時だった。
カッ!!
「!」
「え!?」
………何だ、今の?俺と沢田少年が赤髪君の手に触れて?何で、風の指輪が反応したんだ?てーかもしかして今風の炎灯った感じ?
「あ、ちょっと君…!!」
「あー、行っちまったか」
ちょっと聞きたかったんだけどなぁ。ま、今日のところはとりあえず帰ってまた今度機会があったら聞き出すか。
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