出来ることなら忘れてほしい(9/40)


「と、いうわけで如意棒下さい」

「無ぇ」

「デスヨネー」

XANXUSに武器頂戴とおねだりしてみたがダメだった。仕方ない、こうなったら鉄パイプか物干し竿でやり過ごすか………。

「君はバカなの?そんなアバウトな言い方じゃ伝わるものも伝わらないじゃないか」

マーモンが俺の頭に乗ってきた。お、思ったよりずっしりくるな。
え、でも如意棒っていう表現が一番的を射ている気がすんだけど。

「と、言うと?」

「ハァ………伸縮の幅とか、何段階で伸ばしたり出来るとか、ギミックつけたりとか色々あるだろう?」

ははぁ、なるほど。前世の時はこういう武器欲しい、って言う前に作られてたからな………あの時は驚いた。

「んじゃあ紙に書いて纏めとくか……」

「それをオススメするよ。……それより、君には聞きたいことが山ほどあるんだ」

あ、やっぱり昨日の忘れてない系?
まぁ昨日の今日で忘れる奴は居ないよなぁ………。
マーモンって意外と感情的だったようなそうでないような……たぶん何らかの真面目な理由じゃないと納得してくれない気がする………。うわぁ面倒くさい。

「……えーっと、今?」

「本当は今聞きたいんだけどね、僕にも色々やることがあるから明日にするよ」

ちょっと渋ってみせたら案外あっさりと引いてくれた。これはもともと今日聞く予定じゃなかったな、たぶん。

「それじゃあボス、僕は先に行っているから」

そう言ってフワリと浮いたあと部屋から出ていった。あ、そっか今日晴戦か。ルッスーリアに一言言っておこうかな………いいや、下手に怪しまれると面倒くさいし。
しかし頭が軽いな。
えーと今は10時半か………あと30分後にはバトル開始か。
ベルフェゴールとルッスーリアはさっき出ていったし、マーモンも今行っただろ?スクアーロとレヴィって何処にいるんだ?
っていうか、俺がこのホテルに来る前から居なかった系?

「………………ついてこい」

社長椅子みたいな豪華な椅子に座っていたXANXUSが急に立ち上がり、ただそれだけ言った。
今この部屋にいるのは俺だけで。……あ、俺に言ってんの?

「っえ、ちょ、まっ!」






もくじ




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -