戦いの終わり(61/64)
「γ!!ユニ―――――!!!」
「沢田少年、」
沢田少年が駆け寄る。おそらく、というか間違いなくγとユニちゃんは炎を注入したことにより消えたのだろう。消えた、というよりは肉体の消滅らしいから死んだと取った方が正しいか。
「ユニ…」
「ねえちょっと…何してくれてんのさ?やっと見つけたパズルの最後の1ピースが死んじゃったよ……すべておじゃんじゃないか…7^3を覚醒させ、時空を超えた覇者になる僕の夢は…君達の下らないお友達ごっこのせいで散ったんだ…この意味が………わかっているのか!!!」
今のはだいぶ腹立った。が、俺よりも沢田少年の方がキレてるな………とりあえず、おしゃぶりと俺は避難しとこう。ホント、俺がこの結界の中にいた意味あったんだろうか、いやない。つーか結界壊れるぞ、俺は平気だけど外の奴等大丈夫か?…………大丈夫そうだな。沢田少年のXバーナーと白蘭の技がせめぎあい、やがて煙が晴れたそこに白蘭の姿は無かった。
「か…勝ったぜ!!」
「沢田殿!!」
「よくやったな、ツナ」
「…で……でも…γとユニが……」
泣きじゃくる太猿と野猿。ハルちゃんや京子ちゃんも涙を流す。2人には、重いだろうな………と、そろそろか?いや、おしゃぶりが温かくなってきたんだよ。
「γとユニだけじゃない……この戦いは多くの人が傷つきすぎたよ…」
その時、最後の真6弔花の1人である桔梗の頭にXANXUSが銃を撃った。まさかとは思うけど、俺に同じことしない……よね?いくらキレてても流石にそれはないか。とか何とかやってたら虹の赤ん坊が復活した。………かなり場違いだけど写真撮りたい。いやいや、自重しろ俺。
「事情はすべて分かってるぜ。おしゃぶり状態のオレ達にユニが炎を通して教えてくれたからな」
「ユニが?」
「ええ。ユニは白蘭が倒された場合、世界にどのような影響が起きるのかも我々に教えてくれました。白蘭が倒された今、持ち主を失ったマーレリングの力も無効化されました。それにより白蘭がマーレリングによって引き起こした出来事は全て…全平行世界のあらゆる過去に遡り抹消されるのです」
「つまり白蘭のやった悪事は、昔のこともきれいさっぱり跡形もなくなくなるんだぜ、コラ!!」
ってことはつまり、平行世界の俺も全員復活的な感じか。あ、でもその記憶はないのかな。たぶんもしも白蘭に世界征服されなかったら、な人生歩むんだろ。ま、細けぇことはいいか……それこそ俺に無縁な話だし………。
「…でもまた白蘭みたいな奴が出てきてマーレリングを使いだしたらどうしよう…」
「それを防ぐために、ユニは命を懸けたのです」
「え!?」
「ユニは自分のおしゃぶりに宿した命の炎≠復活した我等虹の赤ん坊全員の最大奥義により永久発火させ、過去の…つまり、あなたの時代のマーレリングを永遠に封印させるつもりです」
「過去のマーレリングを…封印?……そんなこと…」
「ユニはその奥義をオレ達に託したんだぜ」
「彼女は命懸けで、永遠の平和をつくろうとしたのです」
「ユニの奴…平和な過去≠ノ帰れるって言ってたもんな」
まさかそこまで考えてたのか、ユニちゃん………正直そこら辺はこの戦い終わった後の課題だと思ってたのに。戦って終わったら終わったで問題山積みだからさ。
「さあ!今度は君達の願いを叶える番だよ!」
「あっ、…そ…そっか!!」
「沢田!!」
「10代目!!」
「ツナ君!」
「ツナさん!」
みんなの呼びかけに対し沢田少年はコクリと頷く。
「過去へ帰ろう!!」
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