現れた創始者(59/64)


「ようこそユニちゃん♪」

「沢田さん!!多村さん!!」

「ユニ!来ちゃダメだ!!」

3つの結界が合わさり1つになった。そして予想通り脱出出来なかった。まぁ、俺が脱出出来んならユニちゃんも連れてくけどさ。ダメだ、俺本格的に空気嫁な状態だ。最初の頃からエアリーディング力には長けてたんだぞ、本当だよ。だから俺はKYじゃないんだ!………んなこと言ってる場合じゃないか。

「どうだい、驚いただろ?7^3の大空はとてつもない炎を放出し合うと、こんな特別な状態になるんだ。綱吉君と有人クンにはもう用がないから僕とユニちゃんだけの2人っきりの舞台だよ」

「はっ、よく言うぜ」

外の奴等がこの結界に干渉するのは少しばかり無理があるか。つまりは俺と沢田少年だけでユニちゃん守んなきゃいけない訳で。バサラは俺がへたる、ってのもあるけどユニちゃんを傷つける可能性があるから使えないか。あぁ、でも上手くやれたら風は使えるかな………使わないけど。と、ユニちゃんのマントからおしゃぶりがこぼれ落ちた。肉体の再構成とかどうなってんの…………ただ、ここで虹の赤ん坊の戦力がプラスされるのは心強いな。

「ふーん……でも虹の赤ん坊の復活まであと1時間はかかりそうだね」

「!!」

「図星だね」

「!やば、」

しまった、沢田少年がやられた。ユニちゃんの方の守りに専念するにはまだ早かったか………うーむ。奥の手、というかバサラ以外の隠し玉のようなものがない訳じゃないんだけど。ただそれすっと外野も巻き込みかねんからなぁ………どうすんのがベターなんだろうか。

「沢田さん!!」

「誰が復活しようと負けっこないけど、時間がもったいないだろ?この頑丈な結界の中にはもう誰も来やしないよ。有人クンもすぐに消すし、これで君は僕のもの♪」

「ユニちゃんは下がってな」

「多村さん……」

「何をしたって無駄だよ。もう虹の赤ん坊も僕を倒してはくれない」

「あぁ、そうだ。お前を倒すのは虹の赤ん坊じゃねぇ。オレの生徒――――ツナだ」




倒れた沢田少年をリボーンが導く。あぁ、やっぱりユニちゃんは命懸けるんだね。生とか死とかそういうことに関して俺は妙に達観してるからだと思うんだけど、正直何かを犠牲にしてまで俺が生きる必要があんのか、とか考えちゃうよなぁ。前なら他人蹴落としてでも生きるって感じだったが、俺は今にはそんな執着してないからな……理由はまぁ、言わずもがな。

「んん、そーだなあ。今の綱吉君なら、このミニ白龍を心臓に一突きすれば充分♪」

「ひいっ、まっ、まって!!」

「またないっ」

「沢田さん!!」

「10代目!!」

「ツナ!!」

「さあ、あとは君だけだよ。有人クン♪」

「本当にそう思ってんのか?だとしたら、てめぇの目は節穴だな」

つーかユニちゃん含め女性陣はしょうがないとして、獄寺君と山本君は動揺しすぎ。まぁ、そんなに理解してないだろうから責めるつもりはないけど。俺のお守りの作動条件は簡潔に言えば『生命に関わる、所謂致命傷を与えられそうになった場合のみ』作動すんだよ。つまりお守りが働かないってことはまぁ、いちいち言わんでもいいか。

「いってー!!…………こ、この指輪は!!……ランチアさん!!」

「!首に巻いた指輪に助けられただって?」

しかし何て奇跡的確率なんだ…………いやだって普通あんな風にはいかんだろ。確かに今、沢田少年はお守り持ってるからちょっとやそっとじゃ死なないだろうけどもだがしかし。そして沢田少年が再び死ぬ気モードになった。ここまではまぁいいとしてこっからどうすっか、だよなぁ。どうしよう。

「ハハハ!!いい気分のところ悪いけど何の解決もしてないよ綱吉君!!結局僕と君の力の差は君が倒された時から何も変わってない!!」

『どうだろうな』

そんな声が聞こえると同時に胸元が熱くなる。胸熱ってこういう時に使うんじゃね?それは置いといて、だ。こうも光ってちゃ、今まで隠してた意味皆無にも等しいよな………風の指輪。

『]世よ…お前の考えにオレも賛成だ』

「何処だ!?誰の声だ!?」

『オレの真の後継者に力を貸してやりたいが、あいにくそれは出来ない』

「!?紋章が!!」

『そのかわり――――――枷を、はずしてやろう』






もくじ




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -