躰の違い(56/64)


「!!ゴースト!?炎を吸いとる真6弔花…?」

『そーだ!!奴には指輪の炎も匣兵器も通用しない!!危険すぎる敵だ!!今は多村が何とか足止めしている、その間に一刻も早くユニを連れて逃げろ!!』

その通信が入ると共に戦闘中と思われる地点から立ち昇るドス黒い瘴気。それを見た瞬間、ユニが悲痛な声をあげた。

「多村さん!!」

「ユニ!?」

「どうしたんだ?ユニ」

「このままでは、多村さんが死んでしまいます………!!」

「えぇ!?有人さんが!!?」

ユニの脳裏には平行世界の出来事が過る。有人の言う通りに逃げたユニはその後隠れ家にて戦いの様子を遠くながらも見ていたのだ。あちこちで爆発が起き爆風で視界がままならなかったが、最後に真っ黒な闇が巻き上がり戦いが起きていた場所はほとんど更地と化したのである。その後ほとぼりが冷めてから何人かがいつまで経ってもやってこない有人を探しに行ったが、誰1人として彼を見つけ出すことは出来なかった。おそらく、既に彼はいなくなっていたのだろう。

「沢田さん、お願いです………行って下さい。私にはリボーンおじさまがついています」

「ユニ!…………ありがとう」

「でもそんなの無謀だよ!!命を捨てにいくようなもんじゃないか!!」

「…………っ、」

「自分で決めろ」

リボーンにそう言われたツナは死ぬ気丸を飲み込み超死ぬ気モードになった。

「まってろ、みんな!」




「結界ない奴等は構えてくれ……第2波、来るぞ!!」

思ったより、いやかなりしんどい。一旦技を解けばやはり勢いに乗って触手が伸び出す。触手と闇のバサラは互いにせめぎあい触手は俺の炎を吸収、闇のバサラは触手を侵食しようとぶつかりあってたんだけど………平行世界の俺が言った通り、合わなかった。何が、と聞かれれば俺のバサラに今の俺の身体が合わなかったんだ。この世界の住人も中々ずば抜けているが、一騎当千に値するバサラ者はそれ以上の身体能力を有している。で、おそらく俺の精神に引きずられてバサラは再び発現したんだけどそれを使う肉体は前世よりもだいぶロースペックな訳で。まぁ両親2人共一般人だし当然っちゃあ当然なんだけどさ。これがアスリートとか現役軍人とかだったらまた何か違ったかもしんないけど、生まれてくる場所は選べないからね。つまるところバサラを使うと燃費が悪いからすぐに疲れるみたいだ。だからか体力がやばい、今触手来たら軽く死ぬかもしれん。こんなに疲れたの前世で初めてバサラ発現した時だけだぞ。久方ぶりに息が上がるしふらつくしいいことなし。とりあえずユニちゃんが逃げれるだけの時間稼ぎと此処にいる面子の炎吸われなきゃこっちのもんなんだよ。………もっかい、やるか。再び有効範囲を広げ闇属性の固有技を繰り出す。この状態だとあともう1〜2回やったら俺戦闘不能かなー…………あー、笑えねー。


「このままでは埒があかん!いったん引くか!!」

「ダメだ!!あのヤローはまっすぐユニの元へ向かってやがる!!おい風野郎、ここから出せ!!!」

「無理だってば………今結界外したらたちどころに炎吸われて………あっという間にガス欠だ………っち、」

追加で延びてきた触手を捕らえる。いや、それが向かった方向に誰かいるからさ。誰か、っていうか大方アタリはついてるけどね。

「っぶね〜………話には聞いてたがこいつが………」

「何とかしねーとな!」

「跳ね馬にスクアーロ!!」

「おせーぞ、カスが!!」

「すまねーなあ!!」

跳ね馬が結構やばそうだな、腸血塗れなんだけど。スクアーロは思ったより平気そうだ、流石俺のお守り。作ったの俺じゃないけど。でもやっぱ1番の重傷者って俺なんでない?………あれ、吸収引いた?触手による吸収が弱まった途端、雷の炎により輝き出すそれ。………………俺の炎吸収してそれを糧にワープ、とかじゃない、よな?それが1番避けたい事態なんだけど。でもほとんどの奴等の炎はまぁそこそこ無事だから応戦は出来ると思うんだよ、つまりこの先俺いなくても何とかなるはず。……お、真打ち登場。本格的に俺用済みになってきた。

「それはさせない!!」






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