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3.君の優しさが苦しい
朝の劉くんとの会話の中での
氷室くんの寂しそうな”大丈夫だよ”という声が頭の中でリピートする。
劉くんの焦ったような苛ついたような声、私にかける言葉。
氷室くんの何を考えてるか読めない表情。
遠くを見つめる目。
その時氷室くんは何を考えてたの?
氷室くんはどうして私に告白したの?
私が一方的に好きだっただけの私達の関係。
全く話したこともなければ、接点なんて何もなかった。
考えてたどり着く考えは2つしかなかったの。
それはね、
「名字、」
気づいたら授業が終わってたみたいで。
隣の席の劉くんは心配でたまらないって顔してこちらを伺ってる。
本当、わかりやすくて優しい子なんだから。
「ねぇ、劉くん。私ね、氷室くんの事が大好きなんだ、だからね告白されて、付き合う事になって凄く嬉しいの」
氷室くんの事が大好き。
どんな考えにいきついたって、それだけは変わらないよ。
だって氷室くんが転入して来た日から好きなんだもの。
きっとどんな可愛い女の子達よりも氷室くんを好きになったのは私が1番。
「...そんなの知ってるアル。」
劉くんには隣の席っていうこじつけで沢山氷室くんのかっこいいところを語ってきたもんね!
今思うと恥ずかしいけど、
全部事実なんだからなにも困らない。
だって凄く、すごく、自分でもあり得ないくらい氷室くんの事が好きだったから。
過去に好きな人はいました。
けど、私はいっつも受動的で告白なんてできませんでした。
それでも大好きでした。
人と付き合ったこともあります。
その人の事も本当に好きになりました。
だから、氷室くんの事、いままでで1番好き!だなんて言わないし、言えない。
だけど、一目惚れは初めてだったんです。氷室くんの笑顔を見た瞬間に恋に落ちたと思ったんです。
いつも受動的で自分からは何も出来ない私へ、神様からの試練でありプレゼントなんじゃないでしょうか。
そう私は思うのでした。
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