お礼文 森山ver.











放課後の教室、
わたしたちはもう受験生でみんな家とか塾とか、学校の図書館で勉強している。


私もさっきまで図書館で勉強していたけど、今日はなんとなく集中できないから素直に家に帰ろうかなーって思って取り敢えず一旦教室に忘れた数学の教科書を取りに戻った。


この時期の3年の廊下なんて誰もいなくて、聞こえる音は自分の足音と外で部活をする後輩たちの声。



窓から外をみるとみんな部活をやっていて、ほんの数ヶ月前までは私もその一員だったのに、なんて感傷的になっちゃったり。



放課後の教室はなんなく寂しい。
1人違う空間に取り残されたような。

だから普段はあんまり行かないし、
だからこそたまに1人で教室に居たくなる。


けど今日は1人じゃなかった、


「森山...?」


寝てるみたい。

寝ている森山はいつもの女の子向けの笑顔でもなくて、バスケしてるときの真剣な顔じゃない。

「...綺麗な顔」

髪をそっと撫でる。

寝ている君になら伝えていいかな。
ずっと言えなかった言葉。

いつもは君の目には可愛い女の子とバスケくらいしか写ってないんだからこれくらいは許してね。

「森山、大好き」



おそらくこれからも起きてる森山には言えないであろう言葉。



「俺も大好きだよ」


今教室には私と、この寝ている森山の2人だけ。
だから私の静かな告白に応える人なんていないはずだったのに、

「いつから、起きてたの、」

「君が教室に入ってくる前から」

「じゃあなんで、」

「寝てる振りして君がなんかアクションを起こしてくれたらなと思って」


まさか告白してもらえるとは思ってなかったけどね。




「起きてる俺には言ってくれないの?」

森山の顔はいつもの女の子たちに向けるような笑顔じゃなくて、
その真剣な瞳から目をそらしたくても反らせない。


「も、りやま」

「ん?」

「森山のことが、ずっと前から好き、でした」

「俺もずっと前から君の事が好きでした。」



(照れてる君もかわいいね!)
(あぁ、残念な発言がいつもの森山だぁ)
(え、これって残念なの)
(森山が言うと残念に聞こえるの。)





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