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LOVE的な意味であなたが好きです(3月25日国見英)


中学の卒業式を終え、あと数日で3月も終わり私たちは高校生になります。

そんな3月25日、
今日は我らが幼馴染である国見英ちゃんの誕生日です!

本当なら朝から英ちゃんとお祝いしたい所なんだけど、
及川さんから「国見ちゃん誕生日でしょ?ドッキリしたいから国見ちゃんは借りてくね☆」なんていって昨日メールがきたから(不本意だが)諦めた。

まあ岩泉さんもいるし金田一もいるから、帰ってくるのが遅くなることはないだろう。

今の時刻は午後2時、英ちゃんが帰ってくるまであと3時間くらいはある。

「暇だなー、あれメールだ」



From.及川さん

件名.名前ちゃんやっほー☆
ーーーーーーーーーーーーーーーー

名前ちゃんの大好きな国見ちゃんは預かった!
らっきょとツンギレとイケメンに国見ちゃんを取られたくなかったら青葉公園にレッツゴーだよ☆




「...はぁ?」

何が言いたいのか分からない。
分かった事といえば、相変わらず及川さんの頭がヤバイことくらいだ。

「またメール、今度は岩泉さん?」


From.岩泉さん

件名.クズが変なメール送って悪ぃ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
今、国見と青葉公園にいる。
急いで来てくれ。



取り敢えず2人がはやく公園に来てほしいっていうのは伝わった。

まぁ岩泉さんからもメールが来るくらいだし、急いで向かった方がいいのだろう。
...青葉公園なら近いし携帯だけでいいかな。












「お待たせしましたーってあれ?」

「は、名前!?」

岩泉さんからメールがきて約10分、
急いで来たけど、公園にいるのは英ちゃんだけ。

「あれ、英ちゃんだけ?及川さんと岩泉さんに呼ばれたんだけど...。あと金田一もいないね?」

英ちゃんは舌打ちをして草むらの方を睨みつけている。

「あの人たち、はめやがったな...」

「え?何て言った?」

「名前は気にしなくていいよ」

そう言った後、ゆっくりと英ちゃんは視線を草むらから私の方へ向けた。


「名前、俺今日、誕生日。」

「え、うん、おめでとう!」

「で、俺欲しいモノがあるんだよ」

「私に用意できるものなら!」

英ちゃんの誕生日プレゼントは毎年2人で見に行って決める。
英ちゃんの好みはもう分かってるけど、やっぱり本人がその時欲しいものをあげたいし、なにより私が英ちゃんと2人で出かけたいからっていう理由だけどね。

だから、こういう風に英ちゃんから買い物に行く前に欲しいものを言われた事は一度もないのだ。

しかも結局いつも英ちゃんは「名前が選んでくれたものならなんでもいい。」って言って私が決める事になってしまうから尚更珍しい。

「名前にしか貰えないから。」

「私にしか?」

私にしかあげられない物ってなんだろう。
英ちゃんの方が頭は良いし運動もできる。私があげられるものと言ったら...

「...マネージャーとしての雑用魂?」

「はぁ?」

...大変怪訝そうに見られてしまった。
しかし私にしか貰えないものといったらこれくらいでしょ。


「幼馴染としてじゃなくて、恋人としての名前の時間がほしい」


「....」

「....」

「....」

「....」

「...!!!」

「やっと理解した?」

「そそそそそ、それって!?」

「だから、俺は名前が好きだから付き合いたいってこと」


英ちゃんを見るといつもどうりポーカーフェイスなんだけど耳が赤くなっていて本気だということが伝わってくる。

「英ちゃんが、私を、好き?」

「そうだってば」

「LOVE的な意味で?」

「LOVE的な意味で。」

英ちゃんにとって私は手のかかる幼馴染くらいだと考えてると思ってたから英ちゃんの発言には驚きで。


「あの、私も、英ちゃんの事が好きです」


LOVE的な意味であなたが好きです

(国見ちゃんハッピーバースデーそして告白おめでとう!Wおめでとう!!)
(取り敢えず岩泉さん、及川さんをしばいてもらってもいいですか?)
(まかせろ。)
(あー、国見も名前もおめでとう)
(え!3人ともみてたの!?)



国見ちゃんハッピーバースデー!やる気なさげな君のことが大好きです!

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