小説 | ナノ




全部まとめて君にあげる! (2月13日 森山由孝)


2月13日、バレンタイン前日。
今日は残念なイケメンで有名な森山くんの誕生日です。


「ねぇ、笠松。おかしいよ!」

「耳元で騒ぐなうるせぇ!」

「森山って残念なイケメンのはずなのにどうして朝からあんなにプレゼントをもらえるの!?」

「んなもん俺が知るかよ!」

おかしい!
私の予想では森山はイケメンだけど普段から歯の浮くようなセリフばっかり言う残念な野郎だから女の子からプレゼントなんて貰わないと思ってたのに!!

「ねぇ笠松ちょっとあの女の子に聞いてきてよ。」

「は、はぁぁ?!じ、自分で聞きに行きやがれ!!」

相変わらず女の子が苦手なんだからー、笠松は。
つかあたしも女子だ、何故あたしには普通なんだよコラ。


...ま、まあ今日は笠松なんてどうでもいいの、問題は森山よ。

「そーいやあんたら何あげたの?」

「俺は狩野さんのタオル。」

...この間黄瀬くんが写真送ってきた
ラーメンつけ麺僕イケメン!のタオルだ...。めっちゃ森山の為のタオルだ。

「あとは今朝バスケ部で顔面パイ投げやった。」

「顔面パイ投げって黄瀬くんだけじゃなかったんだぁ...。」

「いや、黄瀬は顔面蜂蜜ケーキ投げ」

べっちょべっちょするわ。

「お前は?早く渡さねーの?」

「渡したいんだけどさー、なんかタイミングが...」

ずっと可愛い女の子達がいてはっきり森山を呼びずらい。

「早くしねーと森山とられるぜ」

「...笠松ってさ、バスケ部では頼れる主将なくせにあたしには意地悪だよね」

「お前らがじれったいからだろ、はやく言っちまえ」

...だってどーせ森山はあたしの事友達としか思ってないのに、あたしが告白して友達でさえもいられなくなるとか嫌じゃん。

だからあの女の子達よりは森山の側にいるっていう優越感と、
素直に気持ちを言葉にできる事への羨望と、色んな気持ちがごっちゃになってる。






「....い、お......!、おーい!」

「え!?もりやま!」

あれ、女の子たちは?

「今日俺誕生日。」

「し、知ってるよ」

「名前は何かくれないの?」

「だってあの子達からなんか沢山貰ってたじゃん!」

「えー?名前、嫉妬?」

なんでこいつこんな時にいつも鋭いんだよ、いっつもインターネット情報に頼ってるくせに!

「ち、違くて!森山持って帰るの大変じゃん!」

「ふーん、けど俺は名前ちゃんからのが一番欲しいんだけどな?」

「!!!」



「ついでに名前もくれると嬉しいな。」


いつも残念な癖してこういう時ばっかりカッコいいのはずるくありませんか!




ぜんぶまとめてあげる






あーもうとりあえず笠松ニヤニヤすんなバカ!




森山さんおたおめ!!

prev - back - next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -