小説 | ナノ
大丈夫だから、安心して


「高尾、急ぐのだよ」

「た、高尾くんがんばれ」



やってきました日曜日。
誠凜対海常の練習試合、私たちは何で来てるかって言うとチャリアカー。
周りの視線が痛いから頑張って早く着いて、高尾くん。


「ていうか緑間てめー自転車漕げよ!」

「ふん、じゃんけんで負けるお前が悪いのだよ」

「今日のおは朝みた?蟹座は1位だよ、そんな緑間にはちょっと勝てないかな」

「それに俺は今日のラッキーアイテムも持っているからな」

「高尾くん、完敗だね」

「後ろで電波な会話すんなよ!!」

本当は歩いてもいいかなって思うけど、海常まで私だけで辿り着くとは思えないし、もしたどり着けたとしても試合は終わってるだろう。

「みどりま、」

「はい」

「今日、誘ってくれてありがとね」

「...葵さん、」

「ん?」

「やつらは貴女が思ってる以上に、貴女の事を考えてますよ」

だから、大丈夫なのだよ。


緑間が言う大丈夫、とは私の心を見透かして言った言葉なのだろうか。


その"やつら"には緑間も入ってるのかな。今も、私をセンパイって思ってくれてるかな。

ちゃんと、黄瀬と黒子に会って、そしたら緑間にも聞いてみよう。

















渋滞に引っかかって真ちゃんが先に行きやがったから、今は俺と葵さんとの2人きり。
て言っても俺は自転車漕いでるから特に会話があるわけではない。


ぶっちゃけ、緑間と葵さんの会話は聞こえてた。だからこそまだ出会って数ヶ月の俺が好奇心なんかで葵さんの帝光時代のことなんて聞いていいのか分からなくて、
俺らしくなかったけどさっきから口を開けずにいた。




「高尾くん」

「うおっ!はい!」

「緑間ってね、昔からあんなんでね。毎日変なラッキーアイテムとか持ち歩いてたんだよ」

「葵さん?」

「変だったけどね、緑間はいつも"人事を尽くしてる"から」


「だから、あのね」
「葵さん」

「俺はエース様の相棒っスよ?俺は真ちゃんと、秀徳を優勝に導きますから、安心してみてて下さいよ!」


葵さんはきっと不安なんだ。

帝光でキセキの世代達になにがあったのか知らねーし、葵さんがなんでバスケを辞めたのか、まだ聞いちゃいけないんだろう。
だから俺せめて大事な先輩であるマネージャーを安心させようか。


(大丈夫だから、安心して)




見てくださった方々!
聞いてください!
これは、宮地さん連載なんですよ!!!

宮地さんでてないけど続きます。


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