小説 | ナノ
彼らと向き合ってみます


今日、海常と誠凜の練習試合あるのですが葵さんは行きますか?



なんて後輩からお誘いを受けた日曜日の朝。


海常と誠凜と言ったら確か、黄瀬と黒子ではないか。

「見に行きたいけどなー...」
「今日の練習試合か?」


「うわ!宮地先輩!」

「海常っつたら黄瀬がいった所だろ。久しぶりに後輩見てくれば?」

「黄瀬だけじゃなくて誠凜にも可愛い!後輩がいますよ!」

「じゃあ尚の事なんで悩んでんだよ」


黄瀬には普通に久しぶりに会いたいし、
黒子はまたバスケ部に入部したと聞いたときから誠凜に見に行きたいと思っていた。


「けど、やっぱり会うのが怖いんですよね、」


実は黄瀬にも、黒子にも私が女バスやめたことを教えてない。
バスケから逃げたと思われるだろうか、
もう笑顔を向けてくれることもなくなるんじゃないか。

「私、女バスやめたし、あとはキセキの世代同士のプレー観るっていうのがちょっと...」

「...女バスやめたのはお前なりの理由があるんだろ」

それにキセキの世代同士のプレーなんてこれからの公式戦で嫌って言うくらい観ると思うぜ。









緑間が秀徳に来て、久しぶりに緑間のプレーを観た時にはとても驚いた。
中学生の、私がたまに一緒にキセキ達と練習してた時なんて比にならないくらい上手くなっていて。

同時に怖くなった。

後輩のこと怖い、なんて先輩として最低だと思う。
だけど、まだ辛かったけど楽しく練習してたあの頃からは考えられないくらい、
勝ちしか求めないバスケ。

どんなに競っても、どんなに一生懸命やったって負けは許されない。
勝ちのみが存在する彼らのバスケ。

そんな彼らを見てるのがどうしようもなく怖くて、


「みんなと、普通の顔して会えるかな」

「そんなん会ってみねーと分かねーだろ。悩むくらいだったら会え!うじうじすんな、轢くぞ!」

会ってみないと分かんないか、

「ふふ、先輩、凄いそれ、無責任です」

けど、
ありがとうございます、行ってきます!






いつまでも目を逸らしたままだと、
それこそ本当に彼らから逃げてしまうことになるから。



彼らと向き合ってみます




とりあえず緑の彼に言いに行こう。







- 5 -

[prev] | [next]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -