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消えた疑問と増えた謎と



「なんで真ちゃんと葵さんはそんなに仲良いんですか!」

「「はぁ?」」


またこの子は突拍子もないことを言い出した。はやく帰りの支度しちゃいなよ。

「だって変人な真ちゃんと人見知りな葵さん!ですよ?!組み合わせがおかしいじゃないですか!!」

「高尾、ふざけるな。」

「だって後輩だし、仲悪いわけなくない?高尾くんとも私、仲悪くないと思ってたんだけど...。」

「そーいう事じゃなくてー!」

じゃあどういう事だというんだ。そりゃ私は人見知りという自覚はあるから緑間の方が高尾くんより話しやすいのも自覚してるけど、高尾くんには大分慣れてきたほうだ。
出会って1ヶ月くらいでこんなになれるなんて奇跡にも近い。

「仲良いもなにも、同じ中学なのだよ。」

「え!?葵さん帝光出身なんすか!?マネージャー?」

「ううん、女バス。」

「えぇ?!」

そういえば、今の3年生の先輩たちに慣れるまでは大分時間がかかったものだ。
もう私も秀徳の2年生か、時間ははやいものだ。

「お前らー、早く帰る支度をしろ!」

「キャプテン!!先輩たちは葵さんが帝光出身で女バス所属だったって知ってましたか?!」

「そりゃ知ってるさ。」

夏の合宿の時に私が女バスで〜、みたいな事を話したんだっけか。
その頃はもうあの宮地さんでさえ怖くなかったなあ。

「えぇ!帝光って女バスも強いんすよね!葵さんどれくらい強いんすか?!」

「こいつ副主将だったし強いに決まってんだろ。」

「えぇ!!」


「七瀬は副主将だったのかー、知らなかったな〜、まあ宮地なら知ってて可笑しくないか。なあ大坪!」

「そうだな〜、木村。」

「は?うっせぇな!てめぇら纏めて轢くぞ!」


高尾くんがひたすら驚いてて、緑間は呆れた顔してて、木村先輩と大坪先輩は宮地先輩をからかってて、当の宮地先輩は青筋を浮かべながら怒ってる。
なかなかカオスな部室ができあがったぞ。

「あぁもう!帰んぞ七瀬!」

「あ!はい!お先に失礼します!」

「気をつけて帰れよー。」


(消えた疑問と増えた謎と)


「宮地さんと葵さんって一緒に帰ってんすか!しかも、えぇ?!」

「七瀬が宮地を完璧にからかえる唯一のネタだよなー。」



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