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難あり、全員集合



現地集合と言われ、 ただいま集合時間から10分過ぎた頃、

「ったく、あいつら何やってんだ轢かれてぇのか...!!!」


1年レギュラーコンビが来ません。


「緑間、時間には結構きっちりしてる方なんですけどね」

「じゃあ高尾か?」

「高尾も意外と時間にはしっかりしてそうだよな」

あの2人に限って寝坊とかはないと思うんだけど...

「チャリアカーが壊れとかですかね?」

「だったら走ってくればいい話じゃねぇか!!」

監督が来るまであと5分、それまでにこないと2人は色々まずい。

「七瀬、監督がくるまで?」

「あと5分弱です」

「チッ、あいつら来たらどうしてやろうか...!」

「大坪先輩、わたしこの辺みて来ましょうか?もしかしたら迷っちゃったのかも...」

「いや、七瀬がいくのは...」

大坪先輩が語尾を濁す。
迷っちゃってるんだったら誰かが行くべきだと思うし、選手に行かせるわけにもいかない。
1年生に行かせるのも少し心配、そしたらわたしが行くのが1番だと思うのだけど...。

不思議に思っていると、宮地先輩はわたしの頭に肘をおく。

「み、宮地先輩痛い、痛いです...!」

「お前が行ったら迷子が増えるだろ」

「...え!?わたしは迷いませんよ!?」

「そういってWC会場で迷ったのは誰だよ、探す身にもなれ馬鹿野郎」

...忘れてた。
けどあれには色々訳があったし、別にわたしが方向音痴だとか迷子常習犯なわけじゃないんだけども...。

ちなみにあの時は探しにきてくれた宮地先輩に挙骨をいただきました。

「あの時はまた別ですよ?」

「うっせぇ、黙っとけ前科持ち」

言い返す言葉もなくなったところで口を紡ぐ。

ていうか痛い、さっきからわたしの頭が宮地先輩の肘置き状態なんで痛い。

「宮地せ...「すみませーん!!!」」

宮地先輩に痛いと抗議しようとしたとき、いつも賑やかな彼の声が聞こえてきた。

「高尾くん!緑間!」

良かった!監督が来るまであと3分、遅刻ではあるけどまぁなんとか間に合った。

「遅れてすみませっ...いってぇ!!!」
「...っ!!!」

謝罪を述べようとした高尾、そして緑間に宮地先輩の挙骨が炸裂!

「七瀬、」

「監督が来るまで残り3...2分です」

大坪先輩が頷いてから一言。


「監督が来るまでの残り時間、言い訳を聞いてやろう」


(難あり、全員集合)

とりあえず緑間の我儘は今日はなしでしょうね

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