後輩と理由、バスケ部の夏
緑間と話した。
わたしの後輩たちは優しい子たちばっかりで、
すこし、泣きそうになった。
わたしがもうバスケをしない理由は、あと少しだけ言うのを待ってもらうことにした。
桃色の彼女は知っていると思いから、緑間も知ってるのかと思ったけど、桃色が口を割らなかったんだって。
彼女は人思いで優しい子だから。
緑間はまだ、ヒトリでバスケをしているけど、きっと高尾くんや宮地先輩たちが引き込んでくれるから。
だから緑色は大丈夫。
「.....〜!」
黒色だって黄色だって居場所をみつけてた。
青色だって紫色だってきっと大丈夫。
「..お....〜!!」
赤色だって、きっと、いつか。
「おい七瀬!」
「はぃぃ!!」
「お前、ずっとボーっとしてるけど大丈夫なのかよ」
「み、宮地先輩...?」
「大坪の話始まるぞ」
もう一度本当に大丈夫なのか?と顔を覗き込んで言う宮地先輩に、すみません大丈夫です、と返し大坪先輩の話に耳を傾ける。
「明日からIH予選が始まるーー」
IH予選、これを通り抜けなければ全国への切符はない。
そこで立ち憚るのはまず青峰がいる桐皇、黒子がいる誠凛。
その他に秀徳含めた三大王者の残り二校。
他にも強豪校はあるし、無名校だとしても油断なんてしてられない。
「俺たちは歴戦の王者だ!その名に恥じないプレーをし、IHに進む!」
「「「「はいっ!!」」」」
全員の返事が聞こえる。
先輩たちの最後の夏が、
高校バスケの夏が始まる。
(後輩と理由、バスケ部の夏)
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