小説 | ナノ
大好きな親友と




わたしが緑間と話そうと決意したのは大好きな、大事な親友に背中を押されたからなんです。

昔から、君はわたしが悩んでるといつも背中を押してくれたね。

バスケから離れたくなったときも、
逃げ出したときだって。

ありがとう、大好きな親友。










「葵」

「...虹村!久しぶり!」


虹村修造。
帝光バスケ部元主将で、わたしの中学時代の同級生。

そしてわたしの大事な親友。

「久しぶりだな、どうだ?最近。」

「明後日からIH予選でみんな頑張ってる!」

「お前今日部活は?サボりか?」

「ちがいます!今は自主練の時間!」

電話はしてるけど、面と向かってこんなやり取りをするのは久しぶりだからなんか嬉しい。

「足は?」

「...最近は大丈夫だよ」

「そうか」

安堵したような声色に、あぁ私は虹村にこんな心配されてたんだ、と感じる。

あの頃から心配かけてばっかりだなぁ。

「あのね、黄瀬と黒子に会った、って言ったでしょ。」

「ああ」

「すごくね、優しかった。」

「そうか、良かったな」

「緑間と同じ学校だからさ、」

「ああ」

「....」

言葉にならない、虹村はわたしの言葉を待ってくれてるのに。

また、何も言えない。
これじゃあ、中学時代のままだ。

言わなきゃ、言わなきゃだめ。

「...葵、」

「みどりまには、やっぱり嫌われちゃったかなぁ」

やっとのことで私が紡いだ言葉は虹村に聞こえるかどうかわからないくらい小さくて。

1度緑間たちから逃げたのに、嫌われるのが怖いなんて、酷い我儘。

私から避けた。
彼らが悩んでる時にだって何も言ってあげられなかった。

才能のある彼らをずっと羨んでた。

バスケを出来るのに天才が故に悩む彼らが妬ましかった。

緑間や赤司とかは聡い子だったから、わたしのこの汚い感情にだって気づいてたでしょう?


特に人事を尽くしてる緑間にとっては、こんな私、先輩でいて欲しくないんじゃないか。

「...緑間が秀徳に来るってとき、正直どうしようって思った。」

「ああ」

「でね、緑間がずっと練習してるのをみて相変わらずだなって思った」

「それでね、えっと、」

「ゆっくりでいい、お前のペースで話せばいいから。」

「わたしが、先輩でいいのかなぁって、思って、そしたら、どうしようって」

「葵、」

「秀徳で、バスケ部でマネージャーやってて、いいのかな」

「葵。大丈夫、大丈夫だから。あいつらはお前が嫉妬だけでバスケを辞めるような奴じゃないって知ってるよ。お前がバスケ好きだったって、努力してたって知ってる。」

だから安心しろ。
お前はちゃんとあいつらの先輩だよ。

「虹村、」

「大事なIHなんだろ、今回は特に。だったら始まる前にしっかり区切りをつけとけ。緑間はきっとお前を嫌ってなんかいねーよ、むしろ心配してる。安心させてやれ」

「ほんとかな」

「ああ、俺が言うんだ。大丈夫だ」

「うん、うん」

「お前はさ、お前が思ってる以上に色んなやつに思われてるよ」

「...虹村も?」

「俺もだ。お前は大事な親友だ。だから頑張れよ、最後まで」

「うん。ありがとう、虹村!」


(大好きな親友と)





もうちょっと宮地さんでませんが、これは宮地さん連載です!!

そしてさらっと親友の正体をさらしました!笑

- 14 -

[prev] | [next]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -