その名も御礼献上パーティー
無事中間テストも終えて、私たち秀徳バスケ部はIHへ向けた練習を再開しました。
テストの前日に黄色から「葵、葵せんぱい〜!助けてくださいっス!!テストが出来なかったら俺、試合に出れないんスよ〜!!」なんて電話がかかってくるなどの妨害は入ったがまぁ、無事中間テストは終わりを告げた。
...あれは迷惑だったな、今度赤司に言いつけよ。
「宮地先輩っ!献上品です」
「おお」
わたしはこうやって毎回テストが終わると宮地先輩にささやかな御礼としてケーキを献上する。
最初は練習後のケーキなんて気持ち悪いよねって思ってクッキーとか持って帰れるものにしてたんだけど、案外他の先輩たちとか同輩も食べてくれるからどんどん大きなものに変わっていった。
よくあのキツイ練習後にクッソ甘い生クリームたべれるなぁ、なんて思ったけどみんな美味しいって食べてくれるからつい嬉しくて沢山持ってきてしまう。
「今回はですね!なんと2段ショートケーキです!」
「おお、すげーなコレ」
「今切り分けますからね!...ってあぁ!宮地先輩は座ってていいんです、御礼なんですから!あぁもう!!大坪先輩も木村先輩も座っててくださいよ!!」
わたしが切り分けようとしたら宮地先輩たちが立ち上がって準備しようとする。
先輩たちは座っててくれていいんだってば!!
「あーつっかれたぁー!ってあれ?先輩たち何してんスかー?」
「...ちっ、うるせぇのが来やがった」
「え?何か言いました?宮地先輩」
「なんでもねぇよ」
今年からはこの可愛い後輩たちもいるんだった。
お皿、余分にあったかな...
「御礼献上パーティだよ」
「へ?」
「七瀬がテスト期間の御礼として宮地のために作ってきたんだよ」
「作ってきたってこれ手作りっスか!?」
「うん、まぁ」
「こんなでけーの!?すげー!」
すげーすげーって言ってくれる後輩を見ると、少し嬉しくなる。
これならテスト終わって夜通し作ったかいあった。
「高尾くんも食べる?」
「いいんスか!」
「てめぇはうっせーんだよ!轢くぞ!」
(その名も御礼献上パーティー)
「みどりまも甘いの好きでしょ?食べるよね?」
「...いただきます。」
「真ちゃんって意外と甘いの好きだよなー!」
「黙れ高尾。」
「っていうことは宮地さんも甘党!?」
「宮地先輩は甘党だよ。」
「わりーかよ。」
「いや、顔には似合ってる...か?」
「死ね、高尾」
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