小説 | ナノ
後輩とテストと先輩と勉強会と






海常と誠凜の試合をみて、黄瀬や黒子とも昔のように連絡をとるようになって数日。


そしてIH予選も目前に控えてより練習に力を入れたいところなのだ。

がしかし、私たちはあくまでも学生だ。

定期テストというのがあと1週間でやってくるらしい。

「テストかあ....」


そんな私の呟きに反応した後輩くん

「テストで赤点なんて取ったら試合でれなかったりするんスかー?」

「試合でれないだけで済めばいいよねー
。高尾くん、赤点なんて取ったら君は次の日を迎えられないよー」

「やっぱ試合でれないんすか!それは困りますよね!それにしても次の日迎えられないとか大袈裟っしょ」

大袈裟、だといいのになあ...

「高尾く、」
「高尾、てめー赤点なんてとったら刺すぞ」

み、宮地先輩の降臨だ。
赤点とったらまず試合でれなくてコーチに絞られる前に宮地先輩に殺されるだろう。

それはマネージャーである私も例外ではない。

「なんだ?高尾赤点とるつもりなのか?」

「や、やだなー宮地さんも大坪さんも!聞いてみただけじゃないっすかー」

「まあ、分かんない所があれば緑間にでも聞いたら?あの子頭良いし」

赤司もいないし、この学校では首席でもとるんじゃないかな。 

「葵さんって頭良いんすか?」

「うーん、どうだろう」

「いや、十分いいだろう。なあ宮地」

「数学以外はな」

「うおう...」

そんな後輩の前で弱点を言わなくても...

「なんか葵さんって出来るのにテスト範囲間違えて失敗しそうっすよね!」

え!

「しそうもなにも、この馬鹿は1年の1学期でやりやがったよ」

「はは、懐かしいなー、七瀬、それやって以来テスト前は宮地と勉強するようになったよな」

「....苦い思い出です。」

赤点はギリギリ回避したが、その時の宮地先輩の顔が半端なく怖かった。
あ、私コレ死ぬんじゃね?
って本気で思った。

「え!宮地さんと葵さんって一緒に勉強してるんすか!」

なんか宮地先輩がしまったって顔してる。

「お前はくんなよ、めんどくせーから」

「えー」


宮地先輩には本当に毎回テストの度にお世話になってる。

それ以来テスト範囲も間違えたことないし、それプラス頭の良い先輩にテスト前の1週間は朝練もなくなるから朝の時間とお昼休みに体育館(朝練がないと誰も人がいなくて静かで快適)で勉強を教えてもらえるのだ。

そのお礼には安すぎるがいつもその1週間は宮地先輩のお弁当を作って行ってお昼も一緒に食べてる。
宮地先輩はスパルタだが分かりやすいし、毎回少しその1週間が楽しみでもある。

「あ、お前明日の朝からいつも通りここ来いよ。」

「あ、あの今更なんですけど毎回良いんですか?」

毎回、申し訳ないとは思うのだ。
けどあまりにも宮地先輩の教え方が上手いから甘えてきたけど、今年からは受験生だし先輩も勉強しなきゃいけないよね...。
これを機に自分でやるべきかもしれない。

「ああ?本当、今更だろ。別にいいよ」
「け、けど先輩ももう3年生ですし」
「なに?お前嫌なの」
「違いますよ!さすがに迷惑かなって」

「迷惑だったら最初から教えねーよ。俺が良いっつってんだからいいんだよ、お前、余計な事考えてたらまた範囲間違えんぞ」
「もう間違えませんって!!」



(後輩とテストと先輩と勉強会と)

「なんか、あの2人見てるとカレカノ見てる気分になるんスけど」
「慣れだ、高尾」

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