小説 | ナノ

 これはきっとしばしの別れ(宮地)

*新選組パロ




新選組組長宮地×町娘





「人斬り集団だわ」
「目を合わせると斬られるぞ」
「こわい人たち」
「いや、こっちみた!」



”残酷な人斬り集団”


刀は、新選組は俺たちの誇りだ。
人斬り集団なんて呼ばれても関係ねぇ。

それに俺が守りたいのは局長や副長たちが作り上げてきたものだけだ。

だから誰になんと言われようが構わない、そう思ってた。




「宮地組長!こちら異常なしです!」

「おう、じゃあ巡回終わ「なにやってんだテメェ!」...終われねぇみたいだな、いくぞ!」





「なんだと?テメェ...もういっぺん言ってみやがれ!」


「えぇ、何回でも言って差し上げますよ!
貴方のその腰に差してるそのお飾りはなんです?オモチャですかぁ?攘夷浪士だかなんだか知りませんけどねぇ、うちの店でンなもん振り回されても迷惑なだけなんですよ!」


いつも通り、攘夷浪士がただ騒いでるだけだと思ってた。

けど、その日は女が対抗してやがったのに驚いたのを俺はこの先も忘れないと思う。


「テメェ...黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって!!町娘風情が攘夷浪士様に何言ってやがんだ!」

「へぇ!!攘夷浪士サマは町娘風情に刀を向けるほどお暇なんですねぇ!」


その女は刀を向けられても怯むことなく言い返す。


その時攘夷浪士の男は女に斬りかかろうとした。

その時、柄にもなく俺は”間に合え、””あいつを助けたい”と思ったんだ。











「へぇ、じゃあ宮地さんのハジメテは私が貰っちゃったんですね!」

きゃっ!と照れたように言うのはあの日攘夷浪士と言い合ってた女だ。

「どうしてそういう解釈になったんだ、アホか」

「だって、あんな攘夷浪士につっかかっていく女、初めてみたでしょ?」

「まぁ、攘夷浪士に絡む変人なんてお前くらいだろうな」

「ふふふ、それでも宮地さんの記憶に残れるのならいいです。」


ふと儚げな表情をするこいつの気持ちが俺に理解できる日はきっと来ないのだろう。

こいつは俺と違って、血に汚れることなんて知らない、綺麗で純粋なやつなんだ。


「なあ、お前は俺が怖いか?」


彼女は静かに、はっきりと言った。

「宮地さんは怖くありません」

「俺が...俺は人を斬るのに躊躇なんてしねぇ人間だぞ」

再び彼女は言う。

「宮地さんは怖くありません」


「宮地さんはわたしに自分を突き放して欲しかったんでしょ?でも残念でした!わたしが知ってる宮地さんは怖くないもん。宮地さんが怖い人だったらあんな必死に私の所まで走ってきて助けてくれないもの。」


周りから何を言われても構わなかった。”人斬り集団”だなんて事実だし、怖がられたってどうでも良かった。

そんな俺に掛けられたお前の言葉は暖かくて。

「...お前は馬鹿だな、いつか騙されるぞ」

お前は俺には少し眩しすぎるんだ。


「ごちそーさん。じゃあな」


けど、それでもまた、逢える日が来るなら、今度はお前の隣で笑ってられる時代がくることを願う。


「また来てくださいねー!」

「あぁ。また、な。」



江戸に行って、この戦いが終わったら、きっとまたここに帰ってくるから。


その時お前はまた笑顔で迎えてくれよ?

これはきっとしばしの別れ




拍手文ように作ったけどちょっと方向性が変わったため短編にした新選ぐみやじ。
ゲームに影響されて勢いで書いた駄文です、すみませんでした(土下座

prev / next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -