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 これからの時間あげちゃいます (宮地)





「みゃーじくーん」

「みゃーじって言うなよ、つか酔ってんの?」

「んふふ、酔ってないわよぉ」

「...完璧に酔ってんじゃねぇかよ...」


チッとつい舌打ちしてしまう俺は悪くない。
しかしまぁ、この人を放置したらいけないというのはこれまでの経験から分かっている。


「ほら、名前さん寝るならベッドで寝てください」

「えへへ、みゃーじくーん」


この人は酔うとやけに素直に笑うんだからタチが悪ぃ。

...くっそ可愛いな、おい。


「名前さ..「みゃーじくん、」」



「わたし、どうしてみやじくんと同い歳じゃなかったんだろー。そしたら高校でだってもっと早く出会えたし、もっと長い間一緒にいれたのにねぇ。みやじくんと同い年の女の子が羨ましいよー?」


俯きながらそう言う名前さん。
酔っぱらうといきなり素直になんだから、普段の名前さんにこの様子を見せてやりてぇ。

俺は名前さんの目線に合わせるためにしゃがみ込む。

...ってこの人泣いてんのか?
仕方ねぇ人だな。

「名前さん、確かに俺はあんたより年下で一緒に高校の時だって一緒に過ごせた時間も少なかった。」





「けどこれからの未来はあんたとずっと一緒にいる。そんだけじゃ足りねぇ?」


ずっと寂しい想いをしてた強がりで可愛らしいこの人に俺が今できる精一杯の事。


「ほんとに?」

「本当に。」

「ずっと一緒にいてくれるの?」

「あぁ」

「ぜったいだよ、きよしくん!」



今は口約束だけど、もう少ししたらきっと形に残るものにしてみせるからもうちょっと待っててくれよ?



これからの時間あげちゃいます



「...なに、この写真」
「何って昨日の名前さん」
「嘘よ!私はこんな顔で笑ってない!!」
「昨日は素直さはどこいったのやら」
「え!?私何したの!?もう忘れて!」
「これからも一緒にいるから安心してください?」
「何の話よ!?」





みゃーじくん、を言わせたかっただけ

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