2013/04/02 23:36
素直になれない
※付き合ってなイザシズ










ヴーッヴーッ

真夜中に響き渡るバイブ音。ちょうど眠りについたばかりの静雄は些か乱暴に携帯を掴むと、適当にサイドボタンを押した。
バイブが止まり、うっすらと両目を開き画面を確認することにする。しかし寝起きの目に携帯のディスプレイは眩しすぎ、字がぼやけてしまいすぐには確認できない。
こんな夜中にメールがくることなど滅多にない。それこそ誕生日に弟から祝いのメールが来るぐらいだ。
今日は誕生日でもなんでもないはず…とぼんやり考えながら、漸く見えるようになったディスプレイを確認する。
新規メールが入ったことを知らせるアイコンをクリックし最新のメールを開くと、知らないアドレスからだった。

「…、誰だ?」

間違いメールか、はたまたアドレスを変更した後登録をしていなかった誰かからか。不信に思いながらも本文を確認すると、そこにはこう書かれていた。



『今日という日こそ、改めて声を高らかにして言おう。
俺にとって君という存在は不要なものだ。消えてくれないかな。
その容姿・力、すべてが忌々しい。嫌いすぎて思い出しただけで心の芯が冷えきる感じだよ。早く死んでくれないかなぁ…。

このメールの内容は頭の片隅にでも置いとけばいいさ。俺の存在もすぐに忘れてくれたら嬉しいねぇ。



最後に、俺は君が、シズちゃんの事が、大っっっ嫌いだよ。』



「………」

暫しぼーっと画面を眺めていたが、メールの受信時間を見た瞬間、ああなんだ、そういうことかと妙に納得した。
自分をシズちゃんと呼ぶ人間なんて1人しかいない。
メールの受信日時は4月1日の23時59分。
策士めいた男の顔を浮かべながら、明日にでも直接会いに行ってやろうと思った。










――――――――――
臨也さん的に日付が変わるギリギリにメールを送ったら誤魔化しが効くかもしれないと思ったけど、シズちゃんにはお見通しでしたって話。
臨也さんのメールの文章考えるのに時間かかった。

ハッピーミレニアムイザシズday!







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