▼自称タカタク(のはず) タカシが偽物 タクトも偽物 「なあ、タカシ」 聞こえないふり。 「たーかーし!」 聞こえないふりだ、耐えろ僕。 「たかしぃ…」 無視を続けていると、しょんぼりとした子犬のような、涙ぐんだ声が聞こえた。そんな声を出すのは反則だとタカシは溜息を吐く。だって、怒るに怒れないじゃないか。 若干咎めるようにちらりと彼へと視線を向ければ予想していた通りしょんぼりとうなだれる姿があって(本当に夕陽のような、彼の朱い双眸が潤んでいるのかは仮面の所為で確認が出来ないが)、ちょっと苦笑してしまう。嗚呼、なんて可愛いんだろう。 「…此処ではバンカーって呼ぶ約束でしょう」 そんな光悦とした感情をひた隠しにして精一杯低い声を出して無愛想なキャラクターを演じる。だが彼はその作り物の演技が気に食わなかったらしく、無駄に高級感溢れるソファに腰を掛けて所在なさげにぷらぷらと足を揺らす。 「んー…じゃあ、バンカー」 不服げながらも素直に呼称を改めて、彼が緩慢な動作で仮面を外す。朱いふたつの瞳が僕を捉え、そして腕を広げた。 「ぎゅって、して」 なんて、反則すぎるだろ! ――――――――――― タカタク綺羅星パロ タカシのキャラが安定しない…好きなのに! |