ぎーこ、ぎーこ、ぎーこ、
錆びた鎖。ブランコが人間の重みで悲鳴を上げる。漕がれることをやめない振り子の上でつま先を見つめ続けるピンクは焦がれることをやめない。その色は暗く重い。


「なんで坊はあんな可愛くないやつのほうがスキなん。さっぱりわかりませんわ。俺こーんなに素直な子やのに、あっちより坊のことスキやのに・・・あー、あかん嫉妬とかまじきもいわーだっさ。でもほんまやで、ほんまに大事にするし、されたらめちゃうれしいもん。せやからねちねちうっとい奴やって思われたないんで飛び出してきてもうたけど、いまごろ二人でらぶらぶしとるんやろなー、まあ俺関係ないけどな！どーぞどーぞお二人で末永く爆発してください。俺は子猫さんと・・・・・・・無理や！子猫さんみたいな純粋なお方をこちらの道に引きずり込むなんてお天道さんが許しはっても明陀宗門徒一同が許しまへんえ！子猫さんはかわいい猫ちゃんたちと末永く爆発してください！」



「なんかね、二人でお勉強なんてしとるからちょっとだけ、ほんのちょっとだけうらやましなって間に入ってったら、アホのほうの俺が「あっちいけアホ」言うてきたんです。お前のほうがアホや言い返したらまあ案の定口論になりまして。わーわー騒いどったら坊に怒られたんです、俺だけ！！！おかしいと思いません？なんでこっちの俺にはなんも言わへんのですかって聞いたんですよ。そしたら坊なんて言うたと思います、「お前がおらんかったらなんも無かったやろ」て！おらんかったらて！！おらんかったらて！！どーいう意味ですか？！あ、わかりました要するに俺が邪魔なわけですねはいはい把握把握ええですよどっか行きますうー！もう坊のことどーでもええしアホうんこたれ！！っていうて出てきたんです」
「はあ・・・そうですか」
「どう思います、奥村先生」
「・・・意地張るのやめて帰ったらどうですか」
というか何故志摩君が二人？というツッコミはスルーされた。スーパーに買出しに行っていた雪男は帰り道に通りがかった公園で、一人ブランコを漕いでいる志摩を見つけた。いつもの二割増しくらいで頭髪がピンクの。
志摩のほうも雪男を目ざとく見つけ、目ざとく声をかけ、目ざとく愚痴をこぼしていたのだ。最初はもう一人の志摩の不満をぶちまけていたのだが、いつの間にか話が摩り替わって何故自分がここに居るのかという事象の説明になっていた。正直雪男はもう帰りたかった。


「いやです、帰りたないです」
だから僕はもう帰りてえんだよ・・・！
「坊が謝り倒しにくるまで帰りません」
「きっと二人とも待ってますよ、もうすぐ日も暮れますし明日も学校でしょう？」
「俺ガッコ行ってへんもん。行ってるのはアホのほうですうー」
ははははやっべえイライラするこの志摩君
「はあ・・・」
「ため息なんかついたらしあわせ逃げてしまいますよ」
あーあー！俺の幸せどっかいってもうたし、もう奥村先生と不倫したろかな！！僕がいやです。さいですか・・・ちっ


愚図る志摩を扱いかねていた雪男に、救い手が現れた。
「なに先生困らしとんの、お前。ホンッマ手間かかるやっちゃな」
もう一人の志摩だった。雪男からすれば同じ人物が二人も目の前にいる状況だが、当の本人らは慣れてしまっているためさほど問題でもなかった。ブランコに乗っているほうの志摩はつんとした態度をくずさない。
「うっさいアホ」
「おまえがアホ」
「じゃあボケ」
「おまえがボケ」
「じゃあ坊がアホ」
「坊心配しとったよ」
「・・・・・・・ホンマ？」
「おう。しゃーから帰るで。今日晩飯茄子揚げやさかい」
「・・・・・・・かえる」
「茄子揚げで釣れんのかよ！！」
「「？どないしたん、奥村先生」」
「ハモっ？！・・・・なんでもありません。帰り道には気をつけて」
「「はーい」」



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（なーなーなんでブランコ漕いどったん）
（いや、学園町みたいなまじめちゃんしかおらんトコにあるんやーおもて）
（あっそ）
（別に拗ねてたわけちゃうし！さびしかったわけやあらへんし！てか迎えにくるんは坊の方がよかったとか思てへんからな！）
（ぷっ、はいはい）
（もうホンマ可愛いないな！！）




11/0505
はい！廉廉、というかほぼ廉と雪でした！！こちらは私の敬愛するくくやさんの生み出したすばらしいジャンルでして、もう一目ぼれですわ！漫画の志摩君とアニメの志摩君は別人なんだよ、志摩君は、廉造君は二人いるんだ！ふたりは志摩キュアという話です。あまりにも好きだから自分で書いちゃったよひえええええくくやさんありがとう
拗ねてたほうがアニメの子で最後に迎えに来たほうが漫画の子です。わかりにくいですねごめんなさいへへへ
この後坊がアニメの廉造さんをまじで心配してて帰ってきてからはぐとかされちゃって廉造さん赤面→次は志摩君が嫉妬というのが頭の中にあるんだ・・・


ようするになにがいいたいかというと、志摩君とくくやさんはすばらしいということです。あと雪男は便利だということです
茄子揚げおいしいよね・・・