烏養誕2014



友情<BLD


いつものように店を開けるとふわりと花の香りが入り込み顔を上げると花束を持ったイケメンが笑顔を向けてくる。
暫くじっと見つめ合った後、柔らかい笑顔を向け咥えていた煙草を奪われる代わりに彼の持っていた花束を渡される。
それに小首を傾げれば“可愛い”と言われ口付けられる。

「久し振り。煙草は体に悪いよ」

彼から可愛いと言われる事も無駄に多くスキンシップを図ろうとするのも煙草を取り上げられる事も顔を合わせる度にされるため、既に慣れてしまった。
自分でもつくづく思うが嫌な慣れだ。

「で、何かあったのか?」

花束を渡されるような事は身に覚えが無いため率直に聞けば、一瞬驚いたような顔をしてデコピンを食らわされた。
わけがわからない。
そう思い、自分より低い位置にある顔を睨み付けると、再度柔らかい笑顔を浮かべ、こう言うのだ。

「今日は繋心にとって特別な日で、俺が一番感謝してる日、だから」

最愛の君が、産まれた大切な日。
そんなこっ恥ずかしいことを、さも当然で当たり前の事のように毎年さらりと言ってしまうのだから、一年に一回の年を取るだけの別段嬉しくもない行事でも嬉しいと感じてしまうのだ。


そんな些細なことで、俺の人生は色付いていく。
20140405

烏養誕2014




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