影山誕2012



あー…今日何かあったと思うんだけどなぁ…。
何だったっけ?
忘れるくらいだからきっとどうでもいいことなんだよな、うん。
モヤモヤ嫌な予感がするけど、何も知らないということにしておこう。

「…おい」

自分の中だけで納得した直後、後ろから“王様”に声を掛けられる。
驚きのあまり声が裏返ったのはここだけの秘密。

それより、何で影山くんはこんなにイライラしているのだろうか?

もしかして俺の所為?
え、何もしてないよ?

「お前、何か忘れてねぇ?」

忘れてねぇ?
……いや、逆に何を忘れてると?
大切なことは覚えてるはずだけど…。

「………………」
「………………」
「……………」
「…………」

えっと、何?何なの?
この重苦しい空気は。

「…去年は、覚えてたのにか?」

寂しそうな声と表情に何故か罪悪感を感じて、去年の今頃の記憶を探ってみる。
そして思い出したことといえば横暴な王様の誕生日くらい。

「(確か今月の二十二日だから…)あー…、そっかそっか。そういえば今日二十二日だ」

そう俺が口にすればこれでもかと言うくらいに嬉しそうにして、期待したキラキラとした目で見下ろしてきたから、本当に大きな子供だなぁ…何て思って少し呆れた。

けどまぁ、良かったよ。
今年も嬉しそうなお前の顔が見れて。


「誕生日おめでとう」
(てか、未だに誕生日祝ってほしいとか…)
20121222

影山誕2012




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -