頭を撫でる私の手を少し体をかがめながら大人しく受け入れてくれていたヨノワールは、満足気な声を上げる。
(…なんだろう、この可愛い生き物は。)
最近になってできたポケモンとの触れ合いの場、ポケパルレでの初めての感想はそれだった。
私が右に首を傾けると、彼も大きな体を右に傾ける。私が左に首を傾けると、今度は彼も左に傾く。
「真似っ子遊びするのかな?」
彼が口を開くと私も開き、彼が首を傾けると私も傾げる。ヨノワールの出すお題に沿って私がその顔をすると、ヨノワールは楽しそうにその巨体を揺らした。多少顔の筋肉が引きつるような難しいお題も出たが、ヨノワールの無邪気な喜びのために、恥を厭わずに顔芸を披露してクリアした。
「どうだ、すごいでしょ!最後のお題はなぁに?」
そしてヨノワールの出したお題に、私は最後のお題にしては簡単だがいいのだろうか、と首を傾ける。しかし、いっしょに楽しんでくれているヨノワールが出したお題なんだし、最後まで楽しもう!と思い直した私は、
目を閉じる。
「んっ!?」
唇に不思議な感触を得て、驚いて目を開ける。そこには、妖艶に目を細めながらこちらを見ているヨノワールがいた。
「よ、ヨノワ、いま!ちゅーしたでしょ!」
照れと驚きで顔を真っ赤にした私は、しどろもどろになりながらも抗議する。ヨノワールは愉しそうな声を上げながら、そんな私の唇を指でなぞった。
めを とじて チュウ
(っていうか、さっき触れたのは、お腹の口…?だよね)