ペラップは、口下手でさみしがりな私のそばに、いつもいてくれた。
ペラップは、私がもっとずっと小さなときに、クリスマスプレゼントにと兄が捕まえてくれたポケモンだ。口下手だけどさみしがりな私のためにと、彼なりに考えてくれた結果がこのおしゃべりな鳥ポケモンだったのだ。
色鮮やかで、騒がしいくらい明るい気性のこの友達は、いつもひとりぼっちで留守番をしていた私の部屋をぱっと明るくしてくれた。
口下手な私は、相変わらず初めて会う子とはうまく話せなかったけれど、ペラップがいてくれるおかげで、ポケモンめずらしさに私に話しかけてくれる子は少なからずいた。
口下手な私は、なんとか話し上手になろうと、家でペラップを相手になんどもなんども明るいあいさつの練習をした。そのせいで一度、ペラップか「オハヨウ!」ばかり騒ぎ立てるようになって、お母さんに注意されたこともあったっけな。
下手な私がそれでも一生懸命今日あったことを話すのを、ペラップはいつも楽しげに羽を伸ばしながら、いつまでだって聞いてくれた。
「あのねペラップ、いつもありがとうね」
「アリガトウネ!」
ペラップがとまっている止まり木のそばに腰をおろすと、ペラップはぱたぱたと私の肩に飛んできた。
「今日もペラップのおかげで、クラスの子が話しかけてくれたんだよ」
「ダヨー!」
「今度はあの子のポケモン見せてくれるって」
「ルッテ!」
ペラップの羽を優しく撫でながら話す。ペラップは独特の相槌を打ちながら話を聞いてくれた。
「ペラップ、あのね」
「アノネ?」
本当に感謝してるんだよって、伝わるように。少ない言葉に思いを詰め込んで。
「だいすきだよ」
「アイシテル!」
オウム返さない
(!?)
(ルールルールー♪)
(この主題歌…あ、あのドラマの受け売りか…)