03:偶然の巡り合わせ。


星月学園に入学して数日経った頃、中学から続けていた弓道部に入部しようと思い陽日先生に入部届を出すために陽日先生を探していた。

「あ、水嶋先生!陽日先生がどこにいるか知りませんか?」

「さっき職員室にいたよ。」

「そうですか。ありがとうございます。」

「ところで入部届は僕が出してあげるから、教材室で僕と……」

水嶋先生が相変わらずセクハラまがいな事を言ってくると、ちょうどいいタイミングで星月先生が来た。

「郁っ!夜久をナンパするんじゃない!」

「仕方ないなぁ。琥太にぃが言うなら今日は勘弁してあげる。」

「今日はってお前な……」

「あの、星月先生。陽日先生が何処にいるか知りませんか?」

「直獅なら職員室にいるぞ。」

「本当ですか!?ありがとうございますっ!お礼に今度、お茶入れに行きますね。」

「おぅ。」

「じゃあまたいつかっ!」

そう言って私は水嶋先生と星月先生の前を走り去った。
そして職員室で陽日先生を見つけた。

「あの、陽日先生入部届なんですけど…」

「お、姉妹揃って入部するのか!」

「………。もしかして月子も?」

「そうだぞ。それがどうかしたのか?」

「いえ、なんでもないです。」

月子と部活が被るなんて最悪だ…。
よりによって月子と一緒なんて……。

「夜久は中学から弓道やってたんだろ?姉に負けないように頑張るんだぞ!」

「勿論です。私が月子に負ける訳ないじゃないですか。」

「そうかっ!じゃあ受け付けたから、お前はもう帰ってもいいぞ!」

「失礼します。」

そう言って私は職員室を出た。
月子と部活が被ったとはいえ、月子には負ける訳にはいかない。

『月子に敗北するなんて事許されない。』

いつからか胸に誓った私の教訓。
守り続けてきた私の教訓。
これはこれからも守り続けようと胸に誓った。






然の巡り合わせ。
 
 
 
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2011/02/27





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