02:それはまるで嵐のような それは入学式のあと、担任のくだらない自己紹介とホームルームも終わり「さぁ、帰ろう」と思った時の事だった。 「宇宙科1年!夜久名前はいるか!?」 「は…はぁ、何か御用ですか?」 「ちょっと来い!」 そう言って朝会った銀髪の生徒会長に何処かに連れて行かれる。 そうして数分後、生徒会室に着いた。 「入れ。」 「し…失礼します。」 「お前、生徒会に入れ!」 「…はぁ。なぜですか?」 「オレが指名したからだ!オレが決めた事は絶対だ。もうお前のクラスの担任にも話は通しておいた。」 「そんな勝手な…。まぁ指名されたからには仕方ないです…、私やります。」 「そうか!生徒会役員はお前とあともう1人いる、入ってこい。」 生徒会長がそう言うと、ピンク色の髪で凄く紳士的な雰囲気をした人が入ってきた。 「はじめまして。僕は神話科1年の青空颯斗と言います。」 「よろしくね、青空君。」 「よろしくお願いします。」 私の予想通りピンク髪の青空君は雰囲気だけ紳士なのではなく、中身もとても紳士的な人だった。 「よし、これで生徒会役員が全員揃ったな!」 「そのようですね。」 「生徒会役員同士は名前で呼びあう事、いいな!」 「一樹会長と颯斗君…って呼ばなきゃいけないんですか?」 「嫌か?」 「嫌です。だって不知火会長は年上ですし、颯斗君は初対面の人ですし……あともう一つ理由がありますが、それは言いたくありません。」 「あともう一つってなん何だ?」 「だ、だって!名前で呼びあうなんて彼氏彼女みたいじゃないですか。」 「まぁそうだが…これはオレが決めたんだから拒否権無しだ。」 「えー。嫌ですよ…。」 私がそう言うと不知火会長は耳元で何かをつぶやいてきた。 「なら、お前がオレの事を名前で呼びたくなるようにしてやろうか?」 「なっ!何言ってるんですか!」 「名前さんの顔赤くなってますよ。」 「うぅ〜」 「ですが会長。はしたない事を言わないで下さい。」 なんだか青空君から黒いオーラが出ている……ような気がする。 「颯斗…少し怖いぞ…。」 強気な不知火会長が青ざめた顔になった。 「気のせいです。」 こうして現在の生徒会は出来上がった。 私はこの後渋々不知火会長と青空君を名前で呼ぶ事になった。 名前で呼ぶなんて結構恥ずかしいけど、この際仕方がない。 ところで私って肝が座ってるんだろうか? まぁいいか。明日からこんな生活なんて疲れそう…。 それはまるで嵐のような ―――――――――― 2011/02/26(修正 03/14) |