入学式の日、電車の中で具合が悪くなった僕は、大半の新1年生が式に出ている最中に学校に着いた。


「(どこに行けばいいんだろう・・・職員室に行けば誰か居るかな・・・)」


正面の門をくぐり、大きな玄関に近づく。
すると、自分とは違う色のネクタイをつけている人がスマホを弄りながら立っていた。
こちらに気付くと、手を振りながら寄ってくる。




「もしかして、天木直くん?」
「えっ・・あ、はい、そうです。(何で僕の名前知ってるんだろう)」
「俺、2年の中村和希!天木くんが遅れてくるって連絡来たから待ってたんだ。」
「あっそうなんですか・・!わざわざありがとうございます。」


ペコリと頭を下げると、偉いなーなんて頭を撫でられた。
それから、下駄箱の場所や近くにあった職員室の場所を教えてもらい、長い廊下を歩きながら入学式が行われている講堂に向かった。




「あの、中村先輩はなんで僕の事待ってたんですか?2・3年生って入学式出るんですか?」
「あー違う違う。俺生徒会の副会長なんだけどさー、絶対式中寝ると思うし・・・」




「それなら天木直≠チてどんな奴だろ〜って楽しみに待ってた方が楽しいじゃん?」



と、満面の笑顔で言われたら相手が男だろうと気になってしまうのは、好きになってしまうのは、僕だけなんだろうか ―――――――――。








なんて・・・あれからちょうど1年が経った。
僕、天木直は2年生になり生徒会の副会長になっていた。
あの時の先輩、中村和希は会長になり、関係性は変わらず・・・


先輩と後輩≠フままである。




    #1






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