「いや〜懐かしいね、1年前の直との運命的な出会い!」
「やめて下さい、全然運命とかじゃないですから。」
「え〜〜!そんな事言うなよ、可愛くないなー!」



入学式、2度目の出席は生徒会役員としてだとは、あの頃の僕はそう思っても居ないだろう。
そして、和希会長がこんな軽口を叩く人だとも思わないだろう。






1年の春、入学式で助けてもらった中村先輩の事が気になって、いつの間にか好きになっていた。
でも先輩との交流なんか全然なく、中村先輩の入っているバスケ部に入部する手段もあったが、
運動音痴の僕が入るわけにもいかず・・・前期はたまに見かける中村先輩を遠くから見る日々だった。


しかし、後期に入り新生徒会の役員決めが始まった。
うちの学校はその時のクラス委員長の中から旧生徒会が選出する、というシステムになっている。
僕は前期から継続してクラス委員長をやっていた為、その選定の中に入ることが出来た。


それから生徒会の副会長になり、会長には中村先輩が選ばれていた。
生徒会は6名で構成されていて学年の内訳は2年生3人、1年生3人になっている。
1ヶ月も過ぎればそれぞれが仲良くなり、中村先輩のことも和希会長≠ニ呼ぶ程には距離が縮まった。
それでもまだ、関係性は先輩と後輩&マわりはない。



しかし、目下の悩みは和希会長が所謂たらし≠ナあることだ。





「副会長になったばかりの直はいーーーっつも俺の後ろをピョコピョコ歩いてて犬みたいだったなー・・・」
「そんな事なかったですよ!和希会長がいっつもフラフラするからでしょ!?」
「キャー直が怒ったー!!」
「はぁ・・・もういいです。それより会長今日無駄に元気ですね・・・いつもならこういう式の時はサボろうとするのに。」
「いやぁ、今年の新1年生に幼馴染が入ってくるんだよー!!」
「そうなんですか?それは楽しみですね。」
「直拗ねた!?可愛い奴だな〜!直のことも好きだから機嫌直せ〜!」



和希会長の構って癖、そして誰にでもほいほい好き≠セの可愛い≠セの言う軽い口、これが今僕を悩ませている大きな問題だ。











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