「はな……」


そう私の名前を呼んだみっちゃんは今まで見た中で1番動揺していて弱々しかった。


『みっちゃん……』


「あの、盗み聞きするつもりなかったの……
でも、1時間目から教室にいないしメールしても電話しても反応ないし、それで悩んでたら仁王くんがここだって……」


『全部聞いちゃったんだね、みっちゃん』


「私、はなが……そんな思いしてたなんて知らなかった…
私が悪かったんだ…ほんとにごめん…ごめんなさい……」


そう言うとみっちゃんはその場で泣き崩れた。

いつも明るいみっちゃんがこんな風になったのを私は初めて見た。


私はそんなみっちゃんの傍に駆け寄った。


『みっちゃん泣かないでよ
私、これでよかったと思ってるんだよ』


「……え?」


『私ね、ブン太の事好きだよ
でもみっちゃんの事も好きなの
どっちも選べないくらい好き
だからどっちかを失うくらいなら私は失恋する方がいいって思ったの』


「……はな」


『だけど気持ちを封印するって答えを選んだらこんな事になっちゃったんだよね
だからこれからは、ブン太への気持ちを封印する努力じゃなくてブン太以上に好きだって思える人を探す努力をしようと思うんだ』


「ブン太以上に好きって思える人を探す努力…?」


『そう、でも私の事だからすごく時間かかるかもしれない
だからその間だけはまだブン太の事好きでいていい?』


「……っ当たり前じゃん、ばかぁ」


それから2人で抱き合ってわんわん泣いた。

どのくらい泣いたかなんて分からなかったけど泣き止む頃には2人で笑っていていつもの私達に戻れた。









「じゃあ私帰るね」


『うん』


「明日はちゃんと授業受けなよ!」


『はーい
あ、今日の授業分のノート写させて』


「どーしよっかなぁ?」


『うわぁぁん、みっちゃぁぁん』


「ぷっ、嘘だって
じゃあまた明日!」


みっちゃんはそう言うと手を振りながら屋上から消えた。


ふぅとため息をついて後ろを振り向くと屋上の金網にもたれかかっている幸村くんが見えた。


『幸村くん』


「なんだい?」


『ありがと、おかげですっきりした』


「そう、それはよかった
それじゃあ帰ろうか
俺達の家に」




『………はい?』




この幸村くんの言ってる事を私が理解したのはそれからちょっと経ってからの話。


























…が多過ぎて見づらくなってしまいました(´;ω;`)


次回からは幸村が本気出します
ギャグちっくな感じで頑張ります(`・ω・´)


100322






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