翌日、自分の幸せについて考えてみた A

「む、何か言ったか?」
「なーんも」
「そして一番の見せ場は不良に絡まれた政宗殿を某が助けてふたりの距離は急接近!流れるようにホテルへ……って、何と破廉恥な!佐助何を言わすのだ!」
そんな破廉恥な輩には鉄拳制裁だと渾身の右ストレートは綺麗に佐助の顔を上げさせる。
「ぐはっ!ええええ!アンタひとりで勝手に盛り上がったんじゃん!」
俺関係ないとか殴られた頬をさすってもそんな言葉は幸村には届かず。

今年のクリスマスは色々と大変だなあとか政宗は可哀想だなあとか心にも無いことを呟いた。
とりあえず俺に被害が無ければ良いと思ったが

「佐助は不良役だ!クリスマスは開けておけ!!」

「ええええ、俺のクリスマスはー……」

「知らん!!」
結局はこの暴君に巻き込まれてしまうらしい。
うん、わかってた。
わかってたけど、信じたくなかったんですよちくしょう。
「俺が政宗殿から離れた時を狙うのだぞ!」
「……アンタ結構卑怯だよね」
「愛が俺を狂わせるのだ」
「ああそう」




そして意気揚々に政宗の所へ誘いに行った幸村だったが何故かふらふらになって帰って来た。
ああ、ふられたな。
政宗殿に用事があると断られたとむせび泣く幸村と嫌々それを慰める佐助の姿がクリスマス、真田邸にて見られたり。

「いい加減、アンタと二人のクリスマスは卒業したいんだけどなあ……」
人の恋路なんかよりも早く彼女作ろうと心の中で決意しながらとりあえず幸村にケーキを勧める佐助であった。


聖夜の命日、此処に日本男児二名クリスマスに暇にけり。
(クリスマスなんて!クリスマスなんて!)

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